2019
09.02

療法士新人教育の方向性

マネージメント, リハビリテーション医療, 職員教育

先日、日本理学療法士協会の臨床実習指導者講習会を受講してきました。

これは2020年度以降に療法士養成校へ入学した学生が臨床実習を行う際、実習を行う施設で指導に当たる療法士は必ず受講しておかなければならない研修です。

今回のコラムでは研修を受け今後の新人教育にも繋がると感じたことを書きたいと思います。

新人教育についてその重要性と整備の必要性はどの研修会に参加しても言われていることで、各施設の管理者は色々考えて教育プログラムを作成していると思います。

当院では入職した際、当院の業務にリンクすることに重点を置き、チェックリストと定期的な面談、OJTにて新人教育を組み上げていました。このやり方で一定の成果は得られていると思うのですが、そこには今回の研修を受けて感じた「卒前までの学校教育」を意識した教育プログラムは考えていませんでした。

つまり「連続性」です。

現状では「案」の段階でしたが、今後学生は、①卒業までに自立しているもの、②指導者の監視のもと可能なもの、③指導者と一緒に行うものと大きく3段階に分けられ、その詳細な項目も検討されているようでした。そして、これらが記載されている図には、卒前教育と卒後教育の線引きもされていました。

この「案」を見たとき、これは新人教育で指導すべき項目としてそのまま引用した方が良いのではないかと感じました。

「卒前教育と卒後教育の連続性」ということです。卒前教育と卒後教育が連続性のあるもので構成されていれば、臨床1年目の職員も知識を実務に活かしやすくなるのではないかと感じています。

よく考えれば、当たり前の話ですが、個人的なイメージでは学校教育と新人教育にあまり繋がりを感じていなかった(意識していなかった)と気づかされました。

現在、就職希望者のアンケートを見ると、入職に対して職場に望むことの項目において「教育システム」を選択する希望者が多い印象もあり、新人教育が魅力あるものになっているか、しっかり考えられているかと言う点も、就職希望者にとっては職場を選ぶ重要な選択肢となっている傾向にあります。

より良い教育システムを作るために、「学校教育との連続性」という視点を取り入れて、また悩みながらシステム作っていきたいと思います。

執筆者:野村 和正

理学療法士・介護支援専門員として臨床で働く事15年。
その半数以上を中間管理職として組織運営に携わり、日々現場と管理の狭間で動いている三児の父親。
子供達の未来の為に「父ちゃん頑張ったぞ」と言える父親になる事が今の原動力となっている。

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