2021
02.08

「よい下半期」~OJTから生まれた組織の変化~

マネージメント

年度末が近づき、皆様の組織でも来年度の人員配置・人事異動を具体的に検討している時期ではないかと思われます。今回のコラムでは私が管理する部門の変化について書きたい思います。

私の管理者としての立ち位置は、リハビリテーション課の理学療法部門主任になります。課長が組織全体を管理しているとすれば、私は理学療法部門の業務管理、理学療法士個人の業務量管理、人材育成の役割を与えられています。

理学療法部門の部門力(組織力)を高めるためには業務マニュアル作り込みや整備をし、ルールを明確にした上で、個人の臨床家としてのスキルを向上させなければならないと思っています。そのためには、日々臨床現場での教育(OJT)が何よりも大切と考えています。

学校教育を終え、休む間もなく社会人・臨床家となった若手職員は、理学療法士として患者様に向き合う過酷さに押しつぶされそうになり、理学療法士なんてしんどいことばかりで医療従事者に向いてないのではないかとネガティブな感情を持ってしまうという話をよく聞きます。私の部下からも聞かれることもあります。そんな時、臨床現場から離れて、愚痴や相談にのって、乗り越えられる職員もいれば、解決に至らないためにモティベーションが高まってこない職員もいます。

では私自身どのように部下に向き合っているのか?

それは日々臨床場面にて、一緒に患者様を診るということで部下に向き合っています。つまり“積極的なOJT”の実施を心がけています。

このOJTのよいところは、患者様を通して対象者が何に悩んでいるのか、対象者の臨床家としてのスキルはどの程度なのか、対象者の普段見せていない本質はどのようなものなのかがよく分かることです。そして何より自分自身が管理者として何をしなければならないのかが体感できることです。唯一OJTの問題点を挙げるとすれば、そのための時間を捻出することが難しいという点です。

この問題は本当に頭を悩ませることですが、最近気づいたことがあります。それは、教育の時間を捻出し部下にしっかり関わると、部下は教育の時間を捻出できるようにと、自分自身の業務量を一時的に高め、教育の時間を捻出してくれるようになったということです。つまり部下Aの教育の時間を確保するために、部下Bが部下Aの業務や私の業務を代行してくれるようになり、教育の時間を部門全体の組織力で作り出すことが可能となってきたのです。このような組織の変化もOJTにてしっかり部下と関わることで生まれた変化だと実感しています。

コロナ禍の影響の中で感じることができた下半期のよいことを糧に、来年度もしっかり管理者を担っていきたいと思います。

 

執筆者:野村 和正

理学療法士・介護支援専門員として臨床で働く事15年。
その半数以上を中間管理職として組織運営に携わり、日々現場と管理の狭間で動いている三児の父親。
子供達の未来の為に「父ちゃん頑張ったぞ」と言える父親になる事が今の原動力となっている。

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