05.13
組織力アップを目指して~年度当初の考える管理者の役割~
夢と希望を持った新入職員も免許が届き、毎日悩みながら“臨床家”として社会人生活をスタートしている5月。管理者としての私は「新人教育」、「業務管理」について毎日悩みながらあっという間の一日一日を過ごしています。
私が療法士の免許を取得した15年以上前の時代、「新人教育」という言葉はあったものの、その内容は「自己学習」が中心で、休日の度に市内・県外の研修会に参加していたと記憶しています。時代の流れとともに「新人教育」の考え方も変わり、今ではいかに支えるか、支えられている感を与えるかが「新人教育」への1つのキーワードとなっており、ひと昔前の教育スタイルは限界にきていると感じています。
現在療法士の定年までの間の転職回数は2.5回前後と言われており、せっかく教育し人材育成を行っても、入職してから3年程度で1回目の転職を行う割合が多く、毎年のようにゼロから教育を行わなければならない実情もしばしば耳にします。
私たち医療従事者は精神的にも肉体的にも余裕のない方に対して支援していくことを業とし、その作業には科学的な根拠と豊かな人間性が必要となります。科学的な根拠程度であれば教科書や研修会で知識として学べますが、人間性に関しては「様々な経験」を通して成長できるもので時間を要するものであり、所属している組織の環境が重要であると思っています。
私は管理者として組織力アップのために、「考える」「悩む」「実践する」「再度考える」環境を部門内で定期的に行う時間を設定し、一緒に考え学び、個人の考え、レベル、長所、短所、そして成果を部門内で共有し、成長や前進を部門内で一緒に気付き、「皆で何とかやっていこう」と言う環境を目指し管理しています。
人材の確保が困難になっている医療現場において、新入職員は限りある資源であり、管理者として限りある人・物・金を効率よくやりくりし、成果を出せる組織を作るためには、時代の変化や環境の変化に応じて管理の手法を変えていく事が大切だと思っています。
組織力アップのための手法は組織の数以上提案されており、何がベストな手法なのかわからなくなる時もありますが、部門に所属しているスタッフ皆と時間を共有し、同じ課題で悩み、全員で取り組む現在のスタイルは、組織の横の繋がりを強くするには有効だったなと思っています。一方で気を付けないと組織力アップが遅くなるリスクもあるなと思っています。ですのでタイミングをみていろんな仕掛けを行い、組織力アップさせていきたいと思います。
執筆者:野村 和正
理学療法士・介護支援専門員として臨床で働く事15年。
その半数以上を中間管理職として組織運営に携わり、日々現場と管理の狭間で動いている三児の父親。
子供達の未来の為に「父ちゃん頑張ったぞ」と言える父親になる事が今の原動力となっている。
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