12.16
管理者としての反省~多職種連携で取り組んでいるつもりだった自分~
ただいま来年開催される学会で発表するための抄録作成に追われています。
今回は、その抄録作成途中で気づいたことを、私自身の反省点だと思いながら書きました。
私は医療業界において多職種協働をけん引するための教育を受け、これを意識しながら業務にあたっています(正確には、いるつもりでした。)
現在、私は多職種で構成されているある業務改善チームに所属しており、よいものを作ろうと毎日悩んでいます。日々の業務の中で、改善するために何ができるか?目指すべきものは何なのか?システムを・・・マニュアルを・・・。精一杯活動しているつもりでした。
先日、業務改善の取り組みを発表するために、抄録を作成し、関係者に抄録の内容確認を依頼しました。日々の模索を理解している同僚からは前向きな意見がもらえたのですが、私からみて一番冷静だと感じている医師に確認を依頼したところ、「一人でやったの?」、「他のメンバーは違う意見があるかもしれないよ?」とのアドバイスを受けました。その瞬間、「ぐうの音も出ない」とはこのことかと思いました。今振り返ると、多職種協働するための方法を、多職種協働を意識した私が考えていたんだと気づきました。つまり、多職種で考えていなかったんだと。何かを作り上げる時、業務形態も内容も、価値観も違うことを前提に、色んなことを調整して取り組んでいくのが私の役目であったのにもかかわらず、目の前の課題解決を急ぐあまり、いつの間にか見失っていました。そして、多職種で作り上げてきた気になってしまっていました。
医療業界において多職種協働することは、よりよい成果を出すために必要であることは周知のことですが、分かっていても見失っていました。
私が働いている病棟は開設して2年弱とまだまだ発展途中ですが、開設の準備段階から携わっている私は、開設前と現在も同じような感覚で、システムやマニュアルを策定しようとしていました。準備段階では、先頭に立ってけん引する方法を取り、システムやマニュアルを作ってきましたが、開設後は皆で作り上げていくことを大切にし、後方支援の割合を増やし、スタッフの経験値に合わせ、ファシリテーションの手法を変えていく必要があったことを痛感しました。
今回、学会発表の抄録作成にあたり、医師からのアドバイスを受けなければ、多職種協働を考えて取り組んでいるつもりで新年を迎えるところでした。
来年は、ファシリテーションの種類にも気を付けながら、管理者として良い1年が送れるよう試行錯誤していきたいと思います。
執筆者:野村 和正
理学療法士・介護支援専門員として臨床で働く事15年。
その半数以上を中間管理職として組織運営に携わり、日々現場と管理の狭間で動いている三児の父親。
子供達の未来の為に「父ちゃん頑張ったぞ」と言える父親になる事が今の原動力となっている。
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