03.16
組織として、管理職やリーダーを育てるために必要なこととは ~基礎知識のインプットの機会を~
どの職業でもそうですが、優秀な人材は管理職の有力な候補となります。なぜなら、現場での仕事ぶりを見て「この人に任せたら、同じように優秀な部下が育つのではないか」という想像がつきやすいという理由が最も大きいのではないでしょうか。
しかし、現場で優秀と言われる人は、現場の最前線で仕事に没頭していた結果として、いい成果を出しているとも言えます。現場としては優秀であっても、それをいざ管理職になって人に伝えるとなると上手くいかないことも珍しくありません。また一度、管理職になったとしても、やはり現場の方が自分には合っていると考え、自ら志願して管理職を降りるケースもあります。
なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。
一つには、優秀な人材は自分自身の知識や技術を磨くために、日々勉強し、外部のセミナーや講義に参加する機会が圧倒的に多い割に、それを他者に伝える手法や経験が少ないことが挙げられます。
話し方であったり、プレゼンの仕方であったり、手法は様々ですが、何らかの方法で人に伝えるということは一つの技術であり、それを学ぶ環境が少ないのだと感じます。
また、医療従事者の方には特にそうかもしれませんが、「現場にこだわる」ことも一つの要因と考えられます。
研究ではなく、病院やクリニックを職場に選んでいるということは、やはり患者さんと接したい、元気になる姿や笑顔を見たいという気持ちが大きいはずです。しかし、管理職になると部下の指導や管理業務(事務的作業)が増え、患者さんと接する機会は格段に減ってしまいます。そのジレンマに悩むケースも多いのが実情です。
さらに、どのように部下を指導したらよいのかがわからない、管理職として必要なことが教えられていないということも管理職を避ける大きな原因です。
日々の業務の中でこれを学ぶためのまとまった時間を取ることは難しいかもしれませんが、管理職やリーダーになったばかりの人に対して、その意識や心構え、指導のポイントを伝える機会を設けることは重要な手段だと考えられます。
必要に応じて施設内や外部で管理職、リーダーとしての基礎知識をインプットする場を作ることは、施設にとって大きな財産になるのではないでしょうか。
執筆者:原麻衣子(Maiko Hara)
医療の人事ドットコム編集長。
これまで、MR(医薬情報担当者)経験を経て、地方病院における人事、給与、臨床研修プログラムの構築を担当してきました。現在は、クリニックにおけるWebコンテンツの制作や企画プロデュースに携わっています。
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