2021
11.06

在宅医療を効率化させるための薬局連携術

薬局

2025年問題。

特にこれから開業を考える医師にとって外来患者が減り、在宅患者が増えるという状況のなか『在宅医療』は切っても切れない関係になります。しかし、闇雲に在宅診療の受け入れをしてしまい、院長の負荷が増え、スタッフの疲弊が起こり、クリニック運営に大きな影響が起こってしまうケースもよく耳にします。

そこで今回は在宅医療を効率よく実践していくために院長の立場から考えて業務負担を減らすための薬局連携術について紹介したいと思います。

先ずは薬局がどのような在宅訪問活動があるかご存じでしょうか?

『薬を配達する』

多くの方がこのように答えられます。確かに一つの役割となりますが、他にも「患者の状態確認」「服薬状況の確認、整理」「薬学的ポリファーマシーの検討」「多職種との情報連携」も含めて薬局の在宅訪問

活動となります。

例えば

・処方された薬に効果があるか副作用がでていないか?

・次回訪問診療前にどのような薬が余っているか?

・在宅患者によくある便秘や食事の状況変化がないか?

外来患者以上に個別なチェックが必要になる患者情報を院長へ報告し訪問診療のサポートをします。

現場において一番の役割としては院長とケアマネジャー含め介護スタッフ・看護師といった多職種の中に入り込んで調整役となれるところかと思います。特に介護の中心的役割となるケアマネジャーの声を聞くと主治医との連携に不安を持っている方が多いようです。その理由として医療知識が乏しく医師と話をするのを苦手に感じるようです。

そこで薬という多職種にとっての共通言語を活かし薬局はハブとして活用することが可能です。そこには薬局薬剤師のコミュニケーション能力が必要不可欠となります。しかし現場の声を聞くと残念ながら未だに薬を配達する『だけ』の薬局があるのも事実のようですし、コミュニケーション能力だけでなく次のようなスキルも必要となります。

・多職種とうまく情報を共有して連携するためのスケジュール管理能力。

・しっかりとしたエビデンスのある資料を探してくるリサーチ能力。

・自分の考えや提案を、多職種にちゃんと理解や協力をしていただくためのプレゼン能力。

もし、在宅医療の中で上記能力が乏しいなと感じられるならば連携する薬局を変えられるのも良いのではと思います。最近では都心部を中心に在宅医療に特化している薬局も増えてきています。

在宅医療をより効率よくするためにクリニックの中の業務内容を見直すとともにぜひ、連携する薬局選定もひとつの大事なファクターとなるかと思います。

執筆者:加納 裕介

MRファーマスト運営者。
『独立する薬局薬剤師の経営力を伸ばし地域を幸せにする』 という理念のもと
独立開局成功塾という0から薬局経営と起業スキルを身に着けれる少人数制起業塾を運営。元MRの薬局経営者。医師と連携を密にとり地域医療にも邁進中。
旅行好きで余暇ができると宮古島に行き人と自然に癒されている。

MRファーマシスト
http://k-pharma.co.jp/mr-pharmacist/

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