2021
07.03

新人さんのフォローアップと併せて行いたいこと~周囲の職場環境のケアも大切~

職員教育

先日、ある組織の新入社員の個人面談を行いました。4月の新人研修を経て、3ヶ月経過後のフォローアップのためです。新人さんの早期離職防止が目的です。

面談では、社会人になって3ヶ月経過し、新人さんがどんな気持ちで仕事をしてきたのかを聞き取りしました。聴き取りの内容は、

✅ 仕事って楽しいな、嬉しいなと思ったこと

✅ 仕事って難しいなと思ったこと

✅ 辛いと思ったこと

✅ それでもこれは頑張ったと思ったこと

✅ 相談したかったが相談できなかったこと

の5つを応えていただきました。

嬉しいと思ったことは、やはりお客様から「ありがとう」と言ってもらえたことでした。どの職場でも、顧客からの感謝のことばは新人さんだけではなく、誰にとっても、いつになっても嬉しいものですね。

また、辛いと思ったことは、「朝起きるのが結構辛かった」とのこと。仕事そのものというよりも、社会人としての生活リズムに慣なれるまでは、そういう気持ちになるのだと思われます。入社して1ヶ月ぐらいは緊張しているので、何とかやってこれたのだと思いますが、3ヶ月となると、一日一日の緊張と仕事を覚えなければという責任感からのちょっとした疲れが蓄積されてきているからかもしれません。

今回の面談の新人さんは、積極的に仕事を覚えよう、わからないことはすぐに質問しようという前向きな気持ちで仕事を進められていたようでしたので、ちょっとしたアドバイスだけをして面談を終えることにしました。面談の最後に、「何か相談したことはありますか」という問いに対して、相談したいけれど言いづらそうな様子でしたので、「何でも話して大丈夫ですよ」と伝えると・・・。

次のことを話してくれました。

私に言われても・・・ということを先輩が話してくるようなのです。詳しくは聞きませんでしたが、おそらくこういうことかなと思ったことを事例でこちらから話してみました。例えば、「うちってお給料低いと思わない?」とか、「うちの社長は何考えてるんだかね(否定的な感じで)」とか、「もっと休み取りやすくしてほしいよね」というようなことです。要は、組織に対しての批判的なことを新人さんに“愚痴って”いるようなのです。こういうことを言われても、新人さんは返答のしようがないのですが、日頃の蓄積された“愚痴の吐け口”が新人さんになってしまっているのです。

この新人さんには、差しさわりの無い返答の仕方、かわし方を伝えました。

このことで思ったことは、新人さんの教育やフォローをするだけではなく、周囲の職場環境にも目を向けてケアをする必要があるということです。新人さんが入社すると、新人さんだけに焦点があてられがちですが、一人を育成しても周りがそれを崩してしまうこともあるのです。新人さんと併せて周囲のフォローアップも並行して行うことが大切であることを再認識した出来事でした。

皆さんの組織はいかがですか。新人さんを育てるための周囲のスタッフの職場環境のフォローを振り返る機会かもしれません。

執筆者:下田静香(Shizuka Shimoda)

医療経営オンライン編集長。株式会社エイトドア代表取締役。経営学修士(MBA)。病院、介護施設で人事制度、評価制度、目標管理制度の構築と定着を中心に人材育成、組織開発のアドバイスしています。楽しく仕事ができるためには?!をテーマにしています。

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