12.14
「薬機法改正×コロナ禍」が加速させる薬局の変化をご存知ですか?
2020年もあと少しとなりました。
クリニックの経営状況として新型コロナウイルスの影響を少なからずとも受けていると思われます。
パーテーションや消毒液の設置、スタッフマネジメント、発熱外来の対応等、今年は患者対応にクリニック側の変化が起こった1年となりました。
「あの患者が最近来ていない」
「受診頻度が落ちている」「電話受診相談の依頼が増えた」
慢性疾患を抱える方でも医療機関への受診を躊躇している方も見受けます。
予防医療の観点からは、今後いかに自己判断のもとの受診拒否を起こさせないことも、医療者として重要な役割になってきます。
とはいってもなかなか患者の日常までフォローすることは難しい。
院長にとって診察後、次回受診までの患者の生活情報、処方した薬の服用状況が情報共有されるのは大きなメリットと感じませんか?
実は2020年9月より改正薬機法の関連省令が施行され、薬剤師による服薬後のフォローが義務化されたのをご存知でしょうか?
薬局においては、薬剤師による継続的な服薬状況の把握および服薬指導の義務などが法制化され、これまで以上に対人業務の重要性が求められています。
つまり、今まで薬を渡すまでが仕事の中心だったのが、実際の服薬後のフォローも薬剤師の役割となります。
まだどの薬局も試行錯誤な状況ですが、患者さんへの情報提供や薬学的管理指導、受診勧奨、医師・医療機関への情報提供、処方提案、残薬調整など、薬剤師として投薬後も適切なフォローアップを行います。
そこで問題になってくるのが患者とどのように連絡をとるのかということです。
電話という手段が主ですが繋がらないことや相手の時間を奪うことにもなり、拒否されることも多くあります。
その状況を鑑みてビジネスチャンスとばかりに多くのITベンダーからオンラインツールが提供されてきているのが現状です。
薬剤師としてICTを活用した業務に取り組むことも今後一層求められます。
これは1例ですが私の薬局ではLINEを活用しています。
ITベンダーのサービス利用には、原則として専用のアプリをダウンロードすることが必要ですが、SNSのひとつであるLINEアプリを用いてのサービスも増えており、利用へのハードルは下がりつつあります。
その理由として
- 患者さんのアプリ利用率が高い
- スタッフも使い方に慣れている
- 双方向でのコミュニケーションが可能である
LINEを使っての顧客対応は飲食店等様々な業界でスタンダードに活用されています。
- 薬局が服薬状況の確認をすることで適切な外来受診へフォローする。
- 体調の変化があった場合は医療機関への受診をトリアージする。
そんなやりとりを「服薬情報提供書」という文書にして患者の状況を処方医へお伝えします。
これからの薬局は薬を渡して終わりではなく、服薬後のフォローもしていきます。患者さんの日常に一歩入りこむ努力がさらに必要となりました。そこに新型コロナウイルスの影響でさらにオンライン活用によるフォローが加速していきます。
患者情報の共有に薬局からの「服薬情報提供書」を活用するのもクリニック経営において重要な情報ツールの1つになるのではないでしょうか?
執筆者:加納 裕介
MRファーマスト運営者。
『独立する薬局薬剤師の経営力を伸ばし地域を幸せにする』 という理念のもと
独立開局成功塾という0から薬局経営と起業スキルを身に着けれる少人数制起業塾を運営。元MRの薬局経営者。医師と連携を密にとり地域医療にも邁進中。
旅行好きで余暇ができると宮古島に行き人と自然に癒されている。
MRファーマシスト
http://k-pharma.co.jp/mr-pharmacist/
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