2020
08.17

立場が違えば言語も違う〜苦手意識を持つ相手との接し方〜

社会人としての基本, 職場環境

お盆休みが明け、今日から仕事を再開されるという方も多いのではないでしょうか。各種学校も、今年は新型コロナウイルスの関係で夏休みが大幅に短縮され、既に授業を再開しているというところもあるそうです。

その短い夏休み期間に、知人から頼まれてお子さんの進路相談に乗ることになりました。聞くところによると、高校に入学したものの、コロナの影響で授業開始時期は大幅に遅れ、毎年行われていた職業体験が実施されなかったとのこと。代わりに、夏休みの宿題として、高校卒業後の進路について自分なりに考えてレポートとして提出しなくてはならなかったそうです。

引き受けたものの、さぁどうしようかと考えをめぐらせていました。なぜなら、社会人になると、どうしても学生と接する機会が少なくなってしまいますし、私が学生の頃とは事情がかなり変わっていると感じていたからです。

そこで、実際に学生向けに研修を行っていた経験のある人や、キャリアについて学ばれている人に話を聞きつつ、自分自身でもインターネットや書籍から情報を集めてから相談の場に臨みました。

しかし、初対面であることに加えて、年齢も大分離れているので予想通り、かなり緊張されていました。まずは、進路相談についてどのような悩みを持っているのか、打ち明けやすい環境づくりからです。心理学でいうところの“ラポールを築く”というプロセスを踏むことでやっと、話ができる関係性になるからです。

これは、組織の中でも同じことが言えるのではないでしょうか。

ある程度の規模の組織であれば、年齢や経歴にばらつきがあります。多様な考え方が存在することは組織にとってよいことではありますが、一方で、中には自分と異なる考え方を排除しようと思う人も出てきます。

「あの人は苦手だから」、「あの人とは考えが合わないから、一緒に仕事をしたくない」と排除する行動に移すことは社会人としてどうかと思うところですが、実際には多くの場面で見られます。しかし、それは非常にもったいないことをしているのではないかと感じるのです。

家族でさえ同じ考え方を持っているわけではないのに、ぴったりとハマる人なんてごくごく少数です。そこに凝り固まるよりも、相手の他の年代や職種、育ってきた環境を理解し、寄り添うことで自分自身の許容範囲を広げることで、自分と違った考え方からよりよい仕事につながるかもしれないと思えば、その方が何倍もよいのではないかと思います。

初対面ではしっくりこなくても、そうやって寄り添う努力を積み重ねていくことで自然と信頼関係が築け、お互いが過ごしやすい職場環境にもつながるのではないでしょうか。

執筆者:原麻衣子(Maiko Hara)

医療の人事ドットコム編集長。
これまで、MR(医薬情報担当者)経験を経て、地方病院における人事、給与、臨床研修プログラムの構築を担当してきました。現在は、クリニックにおけるWebコンテンツの制作や企画プロデュースに携わっています。

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