04.27
マスクで遮断されないコミュニケーションスキル
はじめまして。
今回より初めてこのコラムを担当することになりました。地方病院のリハビリテーション科で管理職を担っておりますペンネーム「maittankobu」です。臨床をはじめて20年目となりましたが、目の上のたんこぶとならないよう、精進していかねばと思っています。どうぞ宜しくお願いします。
現在、新型コロナウイルスの猛威はおさまるところを知らず、日々の臨床業務にも大きく影響しています。その中で、「マスク」の着用は予防対策として必須となっており、自宅外ではほぼ常に装着している方が大半ではないでしょうか。しかし、マスクをつけることで「聞こえにくい」、「顔がわかりにくい」、「表情が見えにくい」や「意思の疎通をとれにくい」といったマイナス要因もあり、初めて入院した患者さんや、就職したばかりの新入職員は不安に繋がることも懸念されます。できる限り早く不安を取り除き、安心して入院生活を送るまたは病院業務に慣れてもらえるよう、普段よりもより配慮が必要ではないかと感じるこの頃です。
ではどのように配慮すればよいか。
私は、『コミュニケーションツール』をいかに駆使できるかではないかと考えています。人はコミュニケーションを取るときに、相手が発する言葉からは7%しか情報を受け取らないのに対し、表情や視線からは、実に55%もの情報を受けているというメラビアンの法則は有名です。これは、コミュニケーションにおいてノンバーバルなスキルがより影響力が強いことを表しています。自分が働く環境でも、素晴らしいコミュニケーションスキルを発揮している人も多いのですが、そのような人は特に、ノンバーバルコミュニケーションを上手く使い、信頼関係を築けているようです。
相手とコミュニケーションをとる際、相手の理解を得ようと視線や笑顔、身振りといったからだの表情を用いて、言葉の強弱や間合い、抑揚など“ことばの表情”に気をつけながら話しています。このように表情以外のノンバーバルコミュニケーションスキルを併用することで、「マスク」で表情がわかりにくくとも、相手にしっかり伝わる、安心感のあるコミュニケーションがとれるのではないかと思われます。
正直、自分自身は後輩指導を行う上で「言葉力(説明力)」が必要と述べることも多く、バーバルコミュニケーションに偏っている所が課題です。専門用語に頼らず、相手に納得いく説明が出来るためには少なからず知識やボキャブラリーが必要です。しかし、信頼関係を築くには「言葉力」だけでは難しく、特に、「マスク」装着にて声が通りにくく、言葉で伝える限界も感じられる中、自身の『コミュニケーションスキル』を見直すタイミングではないかと考えています。
コロナは早く終息して欲しいです。終わりが見えない外出自粛も辛い面もあります。しかしながら、現状を憂うだけなく、今だからこそ『コミュニケーションスキル』を鍛えられる機会と捉え、前向きに貪欲に実践していきたいと思います。
執筆者:maittankobu
作業療法士として20年目。いつの間にか管理職11年目となり、いつまでも働けるこころと身体作りをモットーに、日々楽しく勉強中です。
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