2019
09.30

クリニックの開業場所はどのように決めていますか?

開業

医師から開業相談をいただいた時に「今考えている開業場所」を確認しています。医師は漠然と「〇〇市内」や「△△病院の近く」といった感じで考えています。まずは希望エリアで開業場所を探しますがそれと同時に、「このエリアだけは絶対に嫌」という場所も聞いておきます。なぜなら、開業を考える医師が希望するエリアはすでに他の医師が開業されていて密集している可能性が高いからです。そうなると、絶対に嫌というエリア以外は開業の候補エリアになってくるからです。

競合が多数いる中で開業するか、近隣のエリアも検討するのかです。絶対に嫌だというエリアを確認しても多くの医師は第一希望のエリアしか考えてないケースが多くあります。それは「最善しかイメージしていない」からです。開業し経営がうまくいくイメージを持つことは非常に重要ですが、最善だけをイメージするのは危険です。真の成功を目指すのであれば最善だけでなく「最悪を想定し対応策を決めておく」。これをすることをお話ししています。最悪とは密集エリアで開業し、既に行き先が決まっている患者を獲得できない、それにより収入が思ったほどなく支出が多い状態、ストレス、生活困難といった感じでしょうか。もちろん四六時中最悪を考えるのではありません。立ち止まって考え対応策を決めておけば、「想定していたピンチが来たぞ」と本当に最悪の状況になっても慌てなくて済みます。。多くの場合、最善しかイメージしていないので最悪が来たときに対応できないのです。これを考えてもらうと医師は冷静になり、本当に今検討している場所でよいのかをもう一度考えます。改めて考えてもらった上で「やはり密集エリアで開業をする」となったのならそれでよいのです。

ただ、このように考えて場所選びをしている医師や開業サポート企業は多くはいません。まだまだ医師の思いつきの場所や、不動産業者等が勧める場所をなんとなく契約することが多く見受けられます。最善だけを考えていると開業してからも「思いつきの計画で動く」、「最初は最善を求めるが途中で求めなくなる」、「問題点があってもチェックせずに平気でいる」、「結果を出さず無責任が平気になる」のようなことに陥ることもあります。

「最悪を想定し対応策を決めておく。そして最善をイメージする」。真の成功を手にするためにどのように開業場所を決めるかが重要なのです。。

執筆者:田中秀幸(Hideyuki Tanaka)

株式会社ファイネス 医業開発室に所属し、クリニック開業サポート、クリニック承継サポートを中心に活動しています。 スポーツが好きで、中学クラブチームのメンタルコーチや医療・介護・福祉関係者へメンタル講習をしています。

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