01.20
開業準備期間中の過ごし方
開業をサポートしている時、いくつものチェックポイントがあります。その1つに「ドクター自身が開業準備を楽しんでいるか」というポイントがあります。いつも笑顔で“楽しい”が溢れているドクターもいれば、逆にいつも険しい表情で“楽しくない(面倒だ)”という雰囲気が出ているドクターもいます。前者の場合は周りの人たちも楽しくなる、アイデアが多く出る、などの影響が出ます。一方、後者の場合は重苦しい雰囲気になり、周りの人も気を遣って型どおりのアイデアしか出ない等の影響が出ます。
その結果、開業してからも前者と後者は経営面で差が出てきます。なぜこんなにも差が出るのか? それは「願望」があるかどうかです。「~になりたい」「~になる」といった思いを描けていれば、それを実現するために必要な時間と捉えることができ、ワクワク感でいっぱいになります。つまり、楽しくて楽しくて仕方がない状態です。こうなると自然と笑顔が出てきます。更に周りのサポートも得られ、チームとして目標達成に近づいていくことができます。
では、後者の場合はどうするのかです。 ドクターに笑顔になってもらうことを勧めています。「忙しい中、決めることがいっぱいあって笑顔になんてなれない」と言うドクターもいまが、「作り笑い」でよいと伝えています。とにかく笑顔を作る。こうすることでよい方向に進んでいくことをお伝えしています。
実はこの笑顔を作るだけで、開業準備期間中のドクターに大きな変化を感じることがよくあります。例えば、ドクターからのアイデアがたくさん出るようになった、開業してからの思いを描くことができるようになった、周りの人への接し方が柔らかくなったなどです。数えるとキリがないほど変化が出ます。こうなればしめたものです。
開業サポートの目的は「開業が成功だった」と感じてもらうことです。そのためには、開業準備期間をどのような気持ちで過ごすのかがとても大切になります。これに気づいているドクターはほとんどいません。中には自分の開業なのに、全て業者任せにされるドクターもいます。開業後のイメージが描けていないのですね。開業することが目的になっているということです。
また、開業サポートの1つとして、“楽しい”と感じる雰囲気作りがあります。ドクターに笑顔になってもらう仕掛けをいくつも作ります。「開業準備は図面を決めて、機器やスタッフを決めるだけのものだと思っていたが全然違っていた」と言うドクターが何人もいます。開業準備期間を笑顔で過ごした院長のクリニックはスタッフにもよい影響が出ますので、その結果として、経営がうまくいく確率が高いのです。開業後、「あの時、笑顔で準備期間を過ごせたから今がある」と言われます。開業前、同じ時間を過ごすのであれば、どのような表情、雰囲気で過ごすかで開業後に大きく差が出てくるのがわかると思います。
執筆者:田中秀幸(Hideyuki Tanaka)
株式会社ファイネス 医業開発室に所属し、クリニック開業サポート、クリニック承継サポートを中心に活動しています。 スポーツが好きで、中学クラブチームのメンタルコーチや医療・介護・福祉関係者へメンタル講習をしています。
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