2018
08.20

マニュアルの浸透に一工夫〜自発的に考えさせる風土をつくろう

職員教育

新人といえども社会人として、医療機関で働く者として、ある程度の身だしなみや職場のルールに沿って業務に従事することは至極当然のことです。
しかし、このルールやマナーは所変われば品変わる。つまり、独自の文化に左右されます。

例えば、病院で香りが強い香水をつけている、爪が長いスタッフがいれば患者さんに不快な思いをさせてしまうものですが、職種や業種が変わればそれほど問題にならないということもあります。

病院やクリニックにとって、お客さんは患者さんです。その患者さんが気持ちよく快適に過ごせるような空間作りができなければ、徐々に患者さんは離れていってしまうことは容易に想像できますね。

このようなことを防ぐには、身だしなみに関して一定のルールを予め提示しておくことがとても効果的です。
また、職場に新スタッフを採用したときや、昇進によって新しい役職者やリーダーが誕生した時にも、ルールを記したマニュアルの浸透を求められることがあります。

しかし、基本的にマニュアルやルールというのは、既に出来上がっているもの。
それを用いて、「こういうものなのだから」と一方的に伝えることは簡単ですが、同時にスタッフの反発を生むこともあります。

「どうして守らなくてはいけないの?」
「これは必要ないのでは?」

こういった疑念を払拭し、納得した上で行動してもらうために“自主的に考える時間”をつくってみませんか?

例えば、新人教育の一環で、服務規程や院内のマニュアルを提示する機会があれば、少し時間はかかってしまいますが

「なぜ、このルールが必要なの?」
「患者さんが気持ちよく過ごすために、どこに気をつけたらいい?」

といった事柄をテーマにしてグループで話し合うなどして、個々人で考える時間を敢えて作るのです。

こうすることによって、決められたレールの上を走るのではなく、「自分たちで納得して決めたんだ」と感じることができ、その後の実行力にも差が出てくるものです。

加えて、役職に関わらず、携わっている仕事の全体像を伝えてみてもいいかもしれません。単に、組織の歯車ではなく、どのような役割を担っているのか重要性を説いて理解してもらうことも仕事への意欲を育ててくれます。

原麻衣子(Maiko Hara)

医療の人事ドットコム編集長。
これまで、MR(医薬情報担当者)経験を経て、地方病院における人事、給与、臨床研修プログラムの構築を担当してきました。現在は、クリニックにおけるWebコンテンツの制作や企画プロデュースに携わっています。

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