2022
01.15

介護施設の事業継承に関わって思うこと~何が最善なのかを大切に~

経営

クリニックの開業サポート、経営サポートをしているといろいろな話をいただきます。そんな中、昨年夏ごろからは介護施設の承継話が多く入ってきています。承継に携わっている業者からだったり、経営者ご自身からだったり。

しばらく前までは、「売りたい」と言う話は1割ほどでしたが、最近は4割くらいまでになっています(「買いたい」は6割)。売りたい理由は様々ですが、多くは、後継者不足のように感じられます。

医療の承継と違って介護の承継で気になるのが売手側の行動です。売手側が社会福祉法人の場合もあれば、株式会社の場合もあります。後者の場合、承継条件を何度も変更してくるケースが見受けられます。医療承継場合ではほとんど経験したことがなく、介護継承の際、注意している点です。

もちろん、株式会社で真摯に対応してくれるところはたくさんありますが、一部の株式会社の方の行動により、買手側ではマッチング相手として「社会福祉法人のみ」を希望される方が出てきています。現在携わっている承継案件の中でも、承継条件が何度も変わり、難航している案件があります。

一方、買い手側に目を移すと、県外からの参入が増えています。遠方から熱心に何度も足を運んでくれる経営者もいます。経営者の方が「なぜ北陸で事業をしたいのか?」、「どんな事を展開していきたいのか?」などをお聞かせいただき、マッチング先を紹介します。ただのビジネスをしての承継にならないよう、売手側の理念やこれまでやって来られたこと等も引き継いでもらえるよう、お金以外の部分も大切にしています。
医療同様、承継時のポイントは、スタッフの雇用継続、利用者の利用継続があります。スタッフの中には「これで職場環境の改善が期待できる」との声が出る時があり、介護業界における働き方改革のサポートが必要だと感じる場面もあります。

介護は医療と違い、施設の月額収入がおおよそ決まっており、医療のようにやればやった分だけ収入が入るというわけではありません。そのため、支出を抑えようとするあまり、人件費を削ることでスタッフ一人当たりの負担が増え、サービスが行き届かない、結果として利用者の獲得につながらないという悪循環を繰り返している介護施設もあります。事業なので利益を少しでも出したいという気持ちはわかりますが、「利用者のために」という気持ちを忘れないでいただけるよう、ご縁をいただいた経営者の方々にはお話しています。
介護事業経営者の会で話す機会があるときは、「どう利益を残すか」より「どうありたいか」、「利用者に喜んでもらうには?」など心の持ち方を伝えています。

これからますます医療も介護も承継が進むと思いますが、自分自身が「どうしたら最善なのか」を実現できるようサポートを続けていきたいと思います。

執筆者:田中秀幸(Hideyuki Tanaka)

株式会社ファイネス 医業開発室に所属し、クリニック開業サポート、クリニック承継サポートを中心に活動しています。 スポーツが好きで、中学クラブチームのメンタルコーチや医療・介護・福祉関係者へメンタル講習をしています。

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