2020
07.21

方向性を示すことの大切さ~有事のときだからこそこまめな発信を~

経営, 職場環境

新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。毎日発表されるその日の感染者数に一喜一憂してしまいがちですが、冷静にその数値や数値の背景にあることを分析して、自分の感染対策と周囲に対しての感染対策につなげていかなければいけないと切に思います。

このたびの経験のない有事に対して、病院やクリニック、介護施設の施設長の方々と話していて思ったことがあります。有事のときこそ、組織の方針をこまめに示すことの大切さです。

とあるお付き合いのあるクリニックの院長先生は、PCR検査が保険適用になるということが検討され始めてすぐに、自院でのスタンスを早々に決定し、職員に伝えました。またクリニックのブログを通じて、自院ではPCR検査はしないこと、その理由を発信し、問い合わせ殺到の防止策を講じていました。また、感染拡大し始めてからは、医療従事者への差別を取り上げて、当院でそのようなことがあったときは速やかに申し出ること、その対処は院長が行うという、これもまた自院としてのスタンスをしっかりと職員に告げていました。

これまでに経験したことのない事態において、組織のトップは「経験したことのないことに対する判断」が求められます。判断しなければならないことがあると、現時点でかき集めた情報をもとに判断したり、過去に経験した数々の事象から似たような事象を取り上げて、「以前もこういうことがあったから、この判断でよいかもしれない」として判断したりすると思います。このたびの新型コロナ感染拡大防止は、過去に経験した事象がないため、なおさら的確な判断が求められ、かつ迅速な判断が求められます。

トップが、必要な情報を集め、迅速かつ的確な判断をして、すぐに組織メンバーに発信することで、メンバーは先の見えない不安に対して、取るべき行動を指し示してもらえることで、新たな医療環境下でも自分の役割行動を選択することができるのです。

有事のときこそ、迅速な判断と発信をすること、さらに事態が動いたもしくは動き始める都度、こまめな発信をすることで、組織メンバーが安心して仕事に従事できる環境を作ることにつながるのではないかと思います。

執筆者:下田静香(Shizuka Shimoda)

医療経営オンライン編集長。株式会社エイトドア代表取締役。経営学修士(MBA)。病院、介護施設で人事制度、評価制度、目標管理制度の構築と定着を中心に人材育成、組織開発のアドバイスしています。楽しく仕事ができるためには?!をテーマにしています。

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