2019
01.28

新入職員研修は誰のもの? 〜スタッフ全体の質の向上にも役立ててみませんか〜

職員教育

年が明けて、早いもので1か月近くが経とうとしています。4月には新入職員がくる時期を迎えますが、医療機関や介護施設によって新入職員研修のプログラムは様々です。比較的、人数の多い病院や部署であれば、手厚い指導を受けることができますが、果たしてそれは、社会人一年目として十分な研修内容となっているでしょうか。

多くの施設における研修プログラムでは、職業人としての心構えや知識、技術に重点が置かれています。もちろん、これらの事柄は大きな時間枠を取って研修すべきものでありますが、皆さんが迎えるのは患者さんです。患者さんに選ばれるような施設を目指すのであれば、これからの下支えとして、社会人としての基礎を是非、学んで欲しいと思っています。

新入職員だからこそ、学びたい社会人の基礎

それまで学生だった新入職員にとって、仕事をするということは未知の世界です。ノーワークノーペイという言葉がありますが、賃金は労働の対償であることを認識してもらうことは、その後の職場づくりにとても大切です。

なぜなら、この意味を認識できていない場合は、仕事中のおしゃべりに興じる、自己管理ができていないといったケースが多いからです。

また、新入職員研修は社会人としてのビジネスマナーを学ぶ良い機会にもなります。

一般的な企業では、何よりも先に身だしなみや言葉遣い、電話やメールの対応について伝えることが多いものですが、実際、これらの事柄を明確に伝えている医療機関や介護施設はそれほど多くありません。

なぜなら、人数が少ない施設であれば、即戦力として一日でも早く現場に出て欲しいですし、そもそも、これらを伝えることができる人材がいないということもその理由としてあげられます。

新入職員研修は、新人だけのものではない

新しい人材が入ってくることで職場にフレッシュな風が吹きますが、新入職員の効果はそれだけではありません。中堅スタッフや管理職が自分自身の仕事や社会・院内のルールについて見直す良い機会にもなります。

例えば、一昔前はそれほど話題にならなかった個人情報の取り扱いやSNSの使い方ですが、今では一定のルールを設けなくてはならないほど多大な影響力を及ぼすこともあります。なぜならば、情報の漏洩によってクレームが発生し、医療機関そのものの倫理が問われるという事態に発展することもあるからです。

新入職員研修は、新卒者だけに限ったものではありません。

研修内容は毎年、必要に応じてアップデートするとともに、事例検討やグループディスカッションには先輩職員も参加できる機会を設けるなど、他のスタッフの質の向上にも役立てて欲しいと思っています。

原麻衣子(Maiko Hara)

医療の人事ドットコム編集長。
これまで、MR(医薬情報担当者)経験を経て、地方病院における人事、給与、臨床研修プログラムの構築を担当してきました。現在は、クリニックにおけるWebコンテンツの制作や企画プロデュースに携わっています。

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