06.14
返事の必要性~「はい!」には意味がある~
最近、返事をしない若年層が増えたという話を聞きます。私自身も病院、クリニックを訪問していて、指導係のスタッフから「最近の若い人たちは返事をしないんですよね。困りますよね。」という相談(愚痴?)を受けることがあります。他院の人事担当者や管理者に同じことがあるのかを訊くと、一様に「あるある」という返答です。若年層だけとは言い切れませんが、そういう人が増えていることは否めないようです。
私が実際に相談を受けたスタッフにどのような場面で困るのかを訊いてみました。すると、次のようなことがあるというのです。
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事例①
「この仕事、お願いしていいですか?」と仕事の依頼をしても、無言で返事がないので、仕事を引き受けてくれるのかがわからない。
事例②
「この業務はこういう手順でするんですよ」と仕事の手順を教えても、無言で返事がないので、教えたことを理解できているのかどうかの判断がつかない。
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多くの人たちは、子どもの頃、親や学校の先生から「呼ばれたら返事」と教えられてきました。「呼ばれたら」、「はい」と返事をするというより、反射的に応答することだったかもしれません。そこには、返事をする意味は明確にありませんでした。しかし、仕事での返事は、「呼ばれたら返事」という反射的意味よりも、仕事を進める上での必要な応答の意味があります。
上記の事例からその意味を考えてみましょう。
事例①「この仕事、お願いしていいですか?」に対する返事
依頼に対して、「依頼を受けられます」か「依頼を受けられません」の可否を応える意味。
⇒依頼を受けられないという返事があれば、相手は別のスタッフに依頼するという選択ができます が、返事がないと、その時点で仕事が停滞してしまいます。
事例②「この業務はこういう手順でするんですよ」に対する返事
説明したことに対して、「わかりました」か「まだ理解していません」の応答の意味。
⇒応答があれば、次の手順の説明をする、もしくはその業務を指示することができますが、応答がないことで次の段階に進むことができません。
仕事上での「返事」には、求めた相手が次の段階に進める手段という意味があります。返事がないとその時点で、仕事が停滞してしまうのです。停滞時間はわずかかもしれませんが、これが繰り返されることでその時間が蓄積され、時間の無駄遣いにつながります。
「返事」は、仕事を進めるための「応答」であり、反射ではないことを理解させることも育成の一つなのかもしれません。
執筆者:下田静香(Shizuka Shimoda)
医療経営オンライン編集長。株式会社エイトドア代表取締役。経営学修士(MBA)。病院、介護施設で人事制度、評価制度、目標管理制度の構築と定着を中心に人材育成、組織開発のアドバイスしています。楽しく仕事ができるためには?!をテーマにしています。
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