10.01
その理念、スタッフに浸透していますか?認識不足が招くこととは
皆さんが日々過ごしている病院やクリニックには、理念がありますか?
理念のほか、使命やミッションといった表現が使われることもありますね。
いずれにしても、全体の方向性を示すことで土台が揺らぐことなく治療に専念できるのですが、実は、それ自体を掲げていない医療機関も数多く存在しています。
また、例え理念を掲げていたとしても、普段はあまり目にすることのないような場所にそっと飾っていて、スタッフが認識していないということも珍しくありません。
理念は、その病院やクリニックの核となる重要な部分です。組織としてのあり方や人材育成の肝となるべき部分ですが、せっかく素晴らしい理念があったとしても、スタッフに浸透していなければ意味がないのです。
なぜ、理念が必要なのか?
理念には、病院やクリニックの医療への思いや考え方が詰まっています。仮に、その思いや考え方から外れた見方や行動をとってしまうと、いつの間にか患者さんが離れてしまい、医療機関の存続自体が危うくなってしまいます。そのため、理念は日々の業務の忙しさから目的意識を見失った時や、指示された行動の意味を見出せない時に先導してくれる役割を担っています。
また、理念を通じて組織として同じ方向を向いていることで大きな力となり、より良い方向へと進むことができます。
スタッフを育成する際にも非常に大切な役割を果たしている理念ですが、手本となるべき上司や先輩自身がよく理解していないということも多々見受けられます。
経営層をはじめとしたスタッフの一人一人に理念が浸透していなければ、その理念はあってないようなものです。
理念をスタッフに浸透させるには?
まず、新卒および中途採用として雇用するスタッフには、他の研修とともに理念について言及する場を設ける必要があります。場合によっては、採用前の段階で伝えておいてもいいかもしれません。
どうして、このような理念ができたのか?その成り立ちや思いについても、併せて伝えると、より理解度が高くなります。
ですが、一度や二度、話を聞いただけでは、その場で理解できてもなかなか腹落ちしていないことが少なくありません。そのため、繰り返し伝えることに加えて、上司や先輩自身が理念に沿った見方や行動を示す必要があります。
せっかく素晴らしい組織づくりやノウハウの共有があったとしても、互いに別々の方向を見ているのではかえって混乱を招いてしまいます。
これを機に、あらためて理念の振り返り、スタッフへの浸透を図ってみませんか?
原麻衣子(Maiko Hara)
医療の人事ドットコム編集長。
これまで、MR(医薬情報担当者)経験を経て、地方病院における人事、給与、臨床研修プログラムの構築を担当してきました。現在は、クリニックにおけるWebコンテンツの制作や企画プロデュースに携わっています。
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