2021
05.01

「人生とは〇〇だ」

経営

どの業界も後継者問題が言われる中、石川県の医療機関においても同様の問題が起きています。そんな中、親子間ではなく第三者承継を選択するケースが増えています。しかし親子間承継とは違い、第三者承継では承継のタイミングが1つのポイントになっており、マッチングが進まないケースが多くあります。今回は第三者承継で人生を豊かにしている開業医についてです。

新規開業も承継開業も、開業時のドクターの平均年齢は約45歳。人生100年時代とは言いますが、開業医として活躍されるのはおそらく20〜25年間。人生の後半に差し掛かっていくこの時期をどのように過ごすかをドクターと一緒に考えています。既に開業したドクターと話をすると「こんなクリニック経営をしたい」、「こんな治療を患者に提供していくつもりだ」などと思いを教えていただけます。多くの場合、「やりたいこと」ばかりが出てきます。もちろんやりたいことがあって、そこに向かうことが大切です。しかし、もっと大切なものが抜け落ちてしまうことがあります。それは「どんな気持ちで取り組むか」です。

経営サポートしているドクターには「何をするか」より「どんな気持ちで取り組むか」を考えていただき、一緒に詰めていくことをしています。皆さんも経験があると思いますが、どんなにそれが正しいと分かっていても楽しくないと物事は続けることができないものです。ですので、まずは「楽しい」をイメージしてもらうためドクターにはあることを決めてもらいます。

それは「人生は100年の〇〇だ」です。〇〇は思いつくもの、自分が楽しいと思うものを書いてもらいます。先日、開業されたドクターは「人生を100年の冒険だ」と書いてくれました。冒険って言うとすごく楽しいイメージが湧くとのことで選ばれました。ドクターには毎日「今日も冒険が始まるぞ」を口に出して一日をスタートしてもらっています。

毎日仕事をしていると、よいこともそうでないこともあります。このドクターはそれら全てが冒険と捉え、毎日楽しく過ごされています。楽しく明るい雰囲気でいるからかクリニックを承継した時よりも患者が増えており、ドクターは嬉しい疲れだと充実した表情をされています。

同じ物事に取り組むにしてもどんな気持ちで取り組むかで結果に大きく影響してきます。いくつかのクリニックで朝礼に参加することがありますが、朝礼を見るとそのクリニックがどんな気持ちで仕事に取り組んでいるかわかります。

多くのクリニックで、「何をするか」、「どうやってするか」に注力している一方、「どんな気持ちで取り組むか」を一緒に考え経営サポートをしているクリニックが今日も楽しく結果につながっています。

執筆者:田中秀幸(Hideyuki Tanaka)

株式会社ファイネス 医業開発室に所属し、クリニック開業サポート、クリニック承継サポートを中心に活動しています。 スポーツが好きで、中学クラブチームのメンタルコーチや医療・介護・福祉関係者へメンタル講習をしています。

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