2020
03.02

可能性の枠

開業

開業を希望しているドクターは多かれ少なかれ、すでに開業した知り合いに相談しています。「開業してよかった?」を知りたいからです。それは自分の背中を押してくれる言葉を得たい気持ちの表れでもあります。

開業を検討するドクターの多くは期待より不安が大きい状態ですので、少しでも不安を和らげるために「開業してよかった?」を知りたいのです。ここで大事なのは聞く相手です。もしここでネガティブな発言を多く聞いてしまうと、ますます不安が大きくなってしまい自分の「可能性の枠」を小さくしてしまいます。この可能性の枠は誰もが持っています。可能性の枠を小さくしてしまう要素は失敗体験です。勝負どころのミス、上司の叱責など感情を大きく揺さぶられた経験体験が主な素材です。「自分はここまでの人間だ」「これ以上できるはずがない」という思いが可能性の枠を作っています。開業希望ドクターが「開業はよくない」という言葉を聞くと、ただでさえ不安な状態の中で「やっぱり自分には無理かもしれない」となりやすくなります。多くのドクターはそのような状態で開業準備に入っていきます。

そのような時、私のサポートはどうしているのか。

それは「可能性の枠」を一度壊すことです。「自分はここまでの人間だ」「これ以上できるはずがない」という思いを一度壊します。そしてフラットな状態になった上で、何を実現したいのかを一緒に考えていきます。可能性の枠に捉われず、実現したいものを思い描いていきます。このようなことをして、様々な方法で可能性の枠をどんどん大きくしていきます。

開業準備期間中、ドクターに 開業サポート開始時と現時点での考えを比較してもらいますが、多くの方が「あの頃は開業に対してネガティブだった」、「小さいことばかり考えていた」と変化に気づいてもらえます。開業はうまくいくかいかないかはやってみないとわかりません。勝負ごとはコントロールすることができません。しかし、自分の感情はコントロールできます。コントロールできないことに意識を持ってのではなく、コントロールできることを意識してもらっています。この心の持ち方で開業後の売り上げにも大きく影響してくるのです。

そのため「できるはずがない」と思っていたことでも平気でクリアしていくドクターをこれまで多く見てきています。共に働くスタッフにも同じような話をします。1日の大半をクリニックで過ごすわけですから、どうせなら楽しく充実した時間にしてほしいと思いがあるからです。

小さな成功体験の積み重ねが可能性の枠を大きくしていきます。開業サポートとは閉院するまで続きますので、このようなことを日々繰り返すことで次々と目標をクリアして、望む結果を得つづけることができるようにすることが私の役割だと思っています。

執筆者:田中秀幸(Hideyuki Tanaka)

株式会社ファイネス 医業開発室に所属し、クリニック開業サポート、クリニック承継サポートを中心に活動しています。 スポーツが好きで、中学クラブチームのメンタルコーチや医療・介護・福祉関係者へメンタル講習をしています。

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