2020
09.21

世代の異なるコミュニケーション「ことばが通じない」を考える~「通じるように何をする」への転換~

職場環境

ここのところ、リーダークラス研修で講義後の個別相談で多いのが、世代が離れたスタッフとのコミュニケーションに悩んでいるという声です。どんなことが起こっているのか、なんとなくイメージができるものの、具体的にどのようなやりとりで悩んでいるのか、詳細を訊いてみると、色々とわかってきたことがあります。

相談者が共通して言うのは、「今の若い人たちには、ことばが通じないんですよ」です。

「ことばが通じない」。

世代間ギャップを感じるときによく使われるフレーズです。しかし、日本語という言語は伝わっているのですが、「意味」、「意図、「意思」が伝わっていないと言いたいのだと思います。

リーダーもしくは管理職の皆さんと入職して間もないスタッフとの年齢差は様々ですが、いずれにしても生活環境、教育環境、社会環境が異なります。何年か前に、報道番組の特集で世代が異なる購買ウォッチングを観ました。バブル時代に20代でバブルを謳歌した母親とその娘さん(確か中学生)がファッションセンターしまむらでの買い物の仕方をウォッチングするという特集でした。買い物時間は1時間に決められていました。

二人の買い物の様子に大きな違いがありました。バブルを経験した母親は、本当に欲しいという気持ちがあるのかないのかはわかりませんが、1,000円ほどの洋服を買い物かごに次々に入れていきます。一方、娘さんは、1着1着どれを買おうかと立鏡の前に立って、何度も合わせては元に場所に返してを繰り返していました。1時間後、結果は…。母親は4,5着で1万円程度の買い物をしていましたが、娘さんは1着も購入していませんでした。

娘さんは、日本全体の景気低迷期に生まれ、その後もずっとテレビから流れてくるニュースや生活で、「不景気」、「失業」、「節約」など、購買意欲を掻き立てるには程遠い社会環境で育ってきたのだと思います。

家族でも、ものの買い方がこれだけ違うわけですから、組織の中で他人同士が仕事をするとなると、それ以上に考え方の違いが出ることは間違いありません。

「それぐらいの値段なら買ってもいいんじゃないですか」という人と、「せっかく買うなら何事も慎重に」という人もいます。私たちは、生活環境、教育環境、社会環境でそれぞれが目にしてきたこと、耳にしてきたことが経験値となって、目の前にあることに対して、よりよい判断をします。目にしてきたこと、耳にしてきたことの違いが世代間のギャップを生んでいるのだと思います。

そうなると、「ことばが通じない」ではなく、ことばが通じるように双方歩み寄るという考え方に転換しなければ、いつまでたっても「通じない」は解決しないのだと思います。

「通じない」を、「通じるように何をする」で考えてみることが世代間ギャップを埋める第一歩かもしれませんね。

 

執筆者:下田静香(Shizuka Shimoda)

医療経営オンライン編集長。株式会社エイトドア代表取締役。経営学修士(MBA)。病院、介護施設で人事制度、評価制度、目標管理制度の構築と定着を中心に人材育成、組織開発のアドバイスしています。楽しく仕事ができるためには?!をテーマにしています。

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