2019
07.15

職場を去りたくなる防止策~今いるスタッフを「知る」行動から~

スタッフ満足度, 採用・退職

医療・福祉の現場は10年ほど前と比較するとますます深刻な人材不足、人員不足に陥っています。外国人労働者の雇用も二の足を踏んでいる法人もまだ多いことと思いますが、一方でそうはいっていられなくなっているのも現状です。どのようにして効率よく人を採用すればよいのか、応募してもらうためにはどのような発信をすればよいのかという採用のノウハウを駆使することがますます求められていますが、今いる人材を辞めさせないという対策も同様に必要であることを忘れてはいないでしょうか。人材を確保する採用に力を入れるのか、今いる人材が辞めない離職防止対策を講じるのか。

どんなにいい人材が採用できても、受け皿がしっかりしていなければ、すぐに退職してしまうことを考えると、採用対策と離職防止対策は並行して実践すべきなのです。

そこで、今回は離職防止について考えてみたいと思います。離職するときスタッフはどのような心境の変化があるのかを考えてみることも離職防止のヒントがあるかもしれません。「仕事を辞めたくなる時」という言い方をしますが、私は「職場を去りたくなる時」という解釈をしています。仕事そのものは辞めたくなく、今いる職場の人間関係だったり、担当している仕事への不満だったり、「辞めたい」と思うときには、日々の不安や不満が少しずつ積み上げられている状況が続く時だと思っています。

不安や不満の頻度が高くなり、それが解消されない状況が続くことだと思います。積み上がりと解消されない状態が続くとき、さらに上司の冷たい一言、上司自身が普段からマイナス用語ばかり言っている(「忙しい」とか、「大変だ」とか)、周囲からのマイナス要因(例えば、手伝ってほしい時に断られたなど)の一言が「もうここを辞めよう」という決定打になることはよくあることです。よく花粉症を発症するとき、自分のコップに花粉がいっぱいになって溢れたときに発症するという表現をします。離職を決めるときのイメージはそれと似ているように思います。

離職防止の具体的行動策として、スタッフの不安や不満を「知る」こと、「きく」ことはすぐにできることだと思います。評価面接等の定期面接では、「不安や不満があれば言ってくださいね」などです。スタッフが言うか言わないかは別として、上司として「きく姿勢」があるという発信そのものが、スタッフに対して「あなたのことを心配しています。気にしています」という態度としてとらえられるということです。「スタッフの気持ちを知る」行動をとること、これがすぐにできる離職防止対策ではないでしょうか。

 

執筆者:下田静香(Shizuka Shimoda)

医療経営オンライン編集長。株式会社エイトドア代表取締役。経営学修士(MBA)。病院、介護施設で人事制度、評価制度、目標管理制度の構築と定着を中心に人材育成、組織開発のアドバイスしています。楽しく仕事ができるためには?!をテーマにしています。

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