01.14
医療職の日常用語、患者にとって専門用語~素人にわかる伝え方ができる=専門職~
医療現場は、複数の専門職で成り立っています。「専門」には、医療だけではなく、各種業界にあるものであり、それぞれの分野を守り、社会が成り立っていると言えます。
「専門職」のあり方が気になったことがありました。人事コンサルタントとして病院、介護施設に訪問しますが、私自身は医療の専門職ではありません。
病院、クリニックでは、「私たちは専門職」というフレーズをよく耳にします。国家資格をもって仕事をする=専門職であることに間違いはありません。
一般の人たちが病気やケガをしたとき、自分で治すことができないため、病気やケガ医療機関にかかるわけです。そこで気になるのは、医療の専門用語の多さです。診察に行くと、病名や薬の名前、身体の部位など多くの専門用語が降り注いできます。おそらく聞き返しても、わかるはずのない用語ですから、聞き返すことをする人は少ないと思います。専門の人に任せるしかないというのが多くの患者だと思います。
一方で、私自身も人事の専門職です。だからと言って、人事の専門用語を並べて伝えることは決していいことではないと思っています。
「専門職」とは、素人ではわからない分野を勉強し、知識として得て、知恵に変えることをする人だと思います。知恵に変えるとは、要は、専門職以外の人たちが理解できるように、活用できるように、「専門分野のことを翻訳する」ことが役割だと思うのです。
新しい知識を得ると、どうしてもその言葉や内容を何かと使いたがるものです。しかし、使うなら知識のまま使うのではなく、人(相手)の役に立つ使い方を考えて使うことが大事だと思うのです。
それが「知恵」なのではないでしょうか。
「専門職」は、専門職以外の人の役に立つことをするから「専門職」としての価値がある。
医療職同士であれば、日常用語ですが、専門外からすると「専門用語」であること。普段患者に対して使っている用語、専門用語だらけになっていませんか?
執筆者:下田静香(Shizuka Shimoda)
医療経営オンライン編集長。株式会社エイトドア代表取締役。経営学修士(MBA)。病院、介護施設で人事制度、評価制度、目標管理制度の構築と定着を中心に人材育成、組織開発のアドバイスしています。楽しく仕事ができるためには?!をテーマにしています。
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