10.15
「接遇マナー」の範囲~「患者対応」まで含まれていますか~
「接遇マナー」の自院の定義は?
患者サービスにおいて、「接遇マナー」は外せない要素であることは言うまでもありません。
ただ、「患者対応をよくしたい」という目的で「接遇マナー」研修を企画しよう!は安易だと思うのです。
というのも、「接遇マナー」や「患者対応」ということばは、人によってその捉え方の幅の違いがあるからです。
「接遇マナーができているスタッフとは、何がどのようにできているスタッフですか」という問いかけを
何人かの管理者に尋ねてみてください。
すると・・・
☑ 患者さんにきちんとした挨拶ができる人
☑ TPOに合わせた言葉遣いができる人
☑ 身だしなみが清潔な人
☑ 患者さんの言うことを丁寧に聞き取ることができる人
☑ 患者さんの問いかけにきちんと応えられる人
などなどです。いかがでしょうか。
まずは、”自院の「接遇マナー」とは、○○ができる人”という定義づけが必要なのではないでしょうか。
それが定められてはじめて、接遇マナー研修で何を身につけてほしいのかを伝えることができるのです。
患者さんを前にしてどのような対応が求められるのか?
「接遇マナー」は、患者さんに嫌な思いをさせない対応です。
そうなると、「嫌な思いをさせない」ためには、次のことができることだと考えられます。
☑ 適度な笑顔
☑ 特徴を指摘されない身だしなみ(頭髪、化粧、清潔な服装)
☑ タイミングを逸しないあいさつ、接客用語(お大事に、何かお困りですか等)
☑ 丁寧な言葉遣い(正しい敬語、適度な敬語)
☑ 見た目の態度(姿勢)
☑ 受け応えの態度(聞き方、話し方)
おそらく、ここまでが一般的な「接遇マナー」の範囲だと思われます。
しかし、これはあくまでも患者さんを目の前にして、見た目や第一印象の範疇です。
「対応」まで含めると、次のことも求められるのではないでしょうか。
☑ 患者さんの申し出内容の理解力、伝達内容の説明力
☑ 患者さんからの指摘に対する柔軟な対応力(簡単な判断)
☑ 患者さんへのサービスが高まるための改善力、実践力
上記の3つは、「接遇マナー」の範疇に加えて、
業務知識やスキルが求められることまで含まれるのです。
「接遇マナー」研修を実施するなら、焦点を絞ること
そうなると、院内で実施する接遇マナー研修の内容は、その効果を高めるためには、
一般的な接遇マナーの範疇のことを高めたいのか、
患者の申し出等の内容に的確に応えることができることなのか等焦点を絞って
実施したほうがいいのではないでしょうか。
毎年開催しているであろう接遇マナー研修、効果を高めるために再考してみてはいかがでしょうか。
執筆者:下田 静香
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