2018
06.14

事務スタッフのネイル、許す?許さない?

接遇マナー

医療の現場でネイルは御法度。理由は言うまでもありません。では、医療行為を行わない事務スタッフのネイル、許可しますか?しませんか?
ネイルをしているスタッフへの対応で次ぎの事例がありました。

【ネイルで困った事例】
病棟クラーク勤務のスタッフが、人事異動で総務課に配属されました。総務課勤務初日、そのスタッフは、“ばっちり”とネイルをしてきました。パステルカラーにパールのストーン付きの結構派手目のネイルです。これを見た総務課長は、スタッフに「職場でこういうネイルはどうか」と言ったそうです。
ネイルをしてきたスタッフからの返答はこうでした。「病棟勤務のときは、患者さんとの対応があるし、ナースステーションでも医療行為があるため、自分の判断でネイルを控えていました。でも、院内でのネイルの規則はないし、患者さんとの直接対応もない部署なので、これぐらいであれば大丈夫かと思いまして・・・」と。
院内では、医療職スタッフは医療安全上、ネイルをすることは当たり前のこととしてする人はいない、ネイルを禁止するということまで言う必要はないという見解から、院内での規則を設けていませんでした。
総務課長としては、現場の医療職もネイルをしたくても職業上の理由から我慢していることもあるだろう、患者さんと直接対応がない職種だからといって、ネイルを許可するのは組織全体の規律からすると、どうなんだろう・・・と悩んでいます。

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この事例には、2つの対応ポイントがあります。
1つ目は、ネイルに関するガイドラインを作ること この病院では、医療現場でネイルをするスタッフがいることはあり得ないという暗黙知があり、ネイルをしてよいかどうかの判断をスタッフに委ねてしまっていた点が盲点でした。今でこそ、派手目なネイルをしてきたスタッフは問題児であるかのように捉えてしまいますが、このスタッフは、病棟勤務のとき、きちんと職務上のリスクを考え行動していました。病院として、暗黙知が覆ってしまった以上、早急にガイドラインを作成し、周知することで曖昧な状況、スタッフの判断に委ねることをなくすことが肝要と思われます。

2つ目は、職場に「おしゃれ」は必要かという点です。医療の職場に限らず、仕事をする上で「おしゃれ」することをどこまで許すのかです。職場は、自分の与えられた職務を効率よく処理し、最大の成果をあげる場所です。社会人として、職場での「おしゃれ」には限度があります。しかし、おしゃれの度合いは人それぞれ基準が異なりますので、この点でも「身だしなみガイドライン」などで「ネイル編」を追加したほうがよいでしょう。

「おしゃれ」なネイルは自分が楽しむもの、「身だしなみ」は相手を不快に感じさせないもの。徹底したいものですね。

 

執筆者:下田静香(Shizuka Shimoda)
医療経営オンライン編集長。株式会社エイトドア代表取締役。経営学修士(MBA)。病院、介護施設で人事制度、評価制度、目標管理制度の構築と定着を中心に人材育成、組織開発のアドバイスしています。楽しく仕事ができるためには?!をテーマにしています。

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