07.09
患者さん目線で考えてみませんか?院内掲示物のあれこれ
病院やクリニックで、患者さんが多くの時間を過ごす待合室。ここには、各医療機関の趣向が凝らされていることも珍しくありません。
訪れる度に、素敵なお花が飾られているところ
待ち時間を飽きさせないように、本や雑誌を取り揃えているところ
ほっと一息つけるよう、お水やお茶を用意しているところ
お子さん連れでも退屈させないため、おもちゃや絵本を置いているところ
など、その取り組みは様々です。
そして、患者さんがふと目にする院内掲示物にも、医療機関の思いがこもっているのではないでしょうか。
そう、スタッフが考えている以上に、患者さんは院内掲示物を見ているものなのです。
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先日、患者としてあるクリニックを訪れました。初めての場所ではありませんが、久しぶりの受診です。
受付を済ませ、待合室で座っていたところ少しだけ違和感を感じました。
最初は、その違和感の原因に気付かなかったのですが、診察までには時間があったので周りを見渡しながら考えていました。
そこで、あることに気付いたのです。
壁に貼られているお知らせやポスターの中に、色あせているものがあることに。
せっかく院内を綺麗に、そして清潔に保っていたとしても、これでは元も子もありませんね。
では、患者さんにとって心地良く過ごせる院内掲示物とは、どのようなものでしょうか。次のような点に気をつけるといいかもしれません。
1.期間が過ぎたものは、出来るだけ早く撤去する
ラミネート加工などが施されていない場合、日が経ってくるとだんだんと色あせてしまうものです。また、対象期間が過ぎているにも関わらず掲示されている、という事例も見受けられます。
患者さんからすると「あのポスターが貼られてからきっと、かなりの時間が経っているのだろう」と思いますし、貼ったままにしておくという対応にも、何となく不安を感じてしまうものです。
少なくとも、1か月に一度は、院内のポスターやお知らせをチェックしておきたいものです。
2.医療と関係のない掲示物について
例えば、地域の活動や美術館、コンサート等の案内が書かれているポスターもよく見かけますね。
その施設や団体との関係性もあるので一概には言えないのですが、やはり、過度な掲示は避けたいもの。せっかく、思いを込めて作った院内であっても、ポスター一つで雰囲気が変わってしまうことだって珍しくありません。
もし、こういった案内が多いようであれば、まとめてラックに入れる、ファイリングして患者さんが手に取りやすい場所においておくなど工夫してもいいかもしれません。
3.必要なポスターやお知らせは、患者さんが見やすい場所に掲示する
厚生労働省や医師会からの案内には、患者さんにとって必要な事柄も多く記載されています。そのため、部屋の隅ではなく、受付の近くや待合室の見やすい場所に掲示するようにしましょう。
季節に応じた、予防接種の予約開始なども同様です。
4.院長やスタッフの志や人柄が表れるような掲示物を貼ってみる
待ち時間の長くなる病院やクリニックでは、患者さんが時間を持て余しがちです。より快適な空間を演出するため、待ち時間を感じさせないような工夫が必要となります。
例えば、院長の挨拶に加えて、ホームページで公開しているようなスタッフブログを印刷する、院内で働くスタッフの紹介を載せるなどしてもいいでしょう。きっと、親近感を抱いてくれることと思います。
また、栄養指導を行なっている施設であれば、レシピを印刷しておくと女性には好評ですね。
心遣いのあふれる、居心地の良い待合室づくりはすぐにでも着手できます。
スタッフのアイディアを持ち寄って、患者さんをおもてなししてみませんか?
執筆者:原麻衣子(MAIKO HARA)
医療の人事ドットコム編集長。
これまで、MR(医薬情報担当者)経験を経て、地方病院における人事、給与、臨床研修プログラムの構築を担当してきました。現在は、クリニックにおけるWebコンテンツの制作や企画プロデュースに携わっています。
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