03.11
~15年間の管理者としての振り返り~
皆様お疲れ様です。
私事ですが、2023年3月末日を持ちまして医療分野の理学療法士を卒業することとなりました。医療分野の管理者として皆様にコラムをお届けするのは今回が最後となります。
最後に何をお伝えするか色々悩みましたが、この場お借りして、表題通り管理者としての振り返りをしたいと思います。
療法士としてのキャリアの半数以上を管理者として従事してきました。改めて率直に思うのは、やはり「マニュアルやシステムの整備では人は育たず、本当の意味でのスキルアップは図れない」ということです。
これは、マニュアルやシステムの整備が必要ないと言っている訳ではなく、あくまでマニュアルやシステムの整備に加え、人材育成が非常に重要で、これをスムースに行うための職場環境の整備が大切であるということです。
いつでも・誰でも同じ水準の業務遂行が可能となるようマニュアルやシステムの整備は重要ですが、やはり、より高い水準の質を求めようとすると、組織全体の雰囲気や風土は大切で、その根幹は「関係性の質」であると思っています。
「関係性の質」=“和気あいあい”で楽しくではなく、管理者・部下・同僚が同じ目的に向かって、協力しながら切磋琢磨し合うことと理解しています。
そのために私は管理者として、
✅現場に行く
✅臨床を行う
✅OJTをする
✅フィードバックを行う
✅各種会議に出席する
✅部下の業務を指示・調整する、
✅部下と話す 等々
を当たり前のこととして行っています。
管理者には管理者としての業務がありますので、それぞれの職位や環境により全ての管理者が同じように動けるとは思いませんが、部下・後輩は上司・管理者の話し方や所作・臨床家としてのスキルなど、本当に細部まで見ています。だからと言って部下・後輩から良い評価を得るために、何かをする必要はなく、ただ「人付き合いをする」・「手本を見せる」を大切にすることが「関係の質」には重要であると思っています。
「おはようございます」・「ありがとう」などの挨拶や感謝の言葉、OJTで評価から治療までの流れを見せる・一緒に悩む、知識や技術を共有する。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、 信頼せねば、人は実らず。」
この先人の言葉が「関係性の質」の根幹であり、マニュアルやシステムの整備を最大限に機能させるのに必要だと思っています。
まだまだ国家資格を取得して20年程度の若輩者ですが、自分の管理者人生を振り返ると、「人付き合い」が何よりも大切なんだよなと私は思っています。
私は2022年度で医療従事者を卒業し、今後の理学療法士業界のために新規事業を立ち上げチャレンジし続けていきます。皆様も悔いの残らない人間らしい管理者となり、医療業界の発展に尽力されることを心から願っています。
2022年度もお世話になりました。
執筆者:野村 和正
理学療法士・介護支援専門員として臨床で働く事15年。
その半数以上を中間管理職として組織運営に携わり、日々現場と管理の狭間で動いている三児の父親。
子供達の未来の為に「父ちゃん頑張ったぞ」と言える父親になる事が今の原動力となっている。
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