04.08
療法士“兼”管理者の難しさ~管理業務時間の確保の必要性~
新年度に新入職員を迎えるにあたり、マニュアルや教育体制の見直しに追われている日々を送っていました。
今回のコラムでは、療法士“兼”管理者として困っていることを書こうと思います。
私の業務はチームマネジャーとしての役割と療法士としての実務の2つがあります。管理者の多くは恐らく同じように実務をしながら管理業務を行っていると思います。
療法士の実務は、◯◯時から△△時まではAさんの治療のように時間管理されています。一方でチームマネジャーとしての業務は時間不定であり、問題は突発的に発生し、すぐに対処が必要な場合も多くあります。時間が無いから後まわし、という訳にもいかないため、患者さんに影響が出ないよう、管理業務に携わる時間を敢えて作るようにしています。
この2つの役割の“やりくり”がとても難しく、組織が大きく、人員も充足し、管理専門部門があるような施設なら話は別ですが、多くの施設の管理者が悩んでいる点だと思います。
私の所属する組織では管理者の取得単位数は一般職員の半分を目安として設定しているため、比較的時間は作りやすいですが、それでも足りないと思う日々は少なくありません。
現在、療法士の育成校では、学生の臨床実習の在り方が大きく変わってきており、数年後には今までとは違う過程を経験した学生が臨床家として入職してきます。ひとことで言うと卒後教育が今まで以上に重要となり、入職者を支える教育システムをはじめ、揺るがない組織力が必要となります。
卒後教育が重要になる現場を管理するためには、管理者として管理業務に向き合う時間を確保することが、組織力を高める為に必要だと感じています。
目先の療法士の売り上げを確保することも大切ですが、管理者は、療法士としての実務を減らし、真剣に管理業務を行う時間を確保することが、これからの強い組織づくりに繋がると思います。
数年後に困らない・焦らない為に、今踏ん張って管理者やり遂げたいと思います。
執筆者:野村 和正
理学療法士・介護支援専門員として臨床で働く事15年。
その半数以上を中間管理職として組織運営に携わり、日々現場と管理の狭間で動いている三児の父親。
子供達の未来の為に「父ちゃん頑張ったぞ」と言える父親になる事が今の原動力となっている。
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