11.12
病院内における職種間の力関係
病院は、実に様々な職種の人たちが働いています。あらためて職種を数えると、医師、看護師、薬剤師、放射線技師・・・等々、ある程度の規模の病院であれば国家資格を有した医療職種だけでも10以上あります。
それに加えて看護助手、医師事務作業補助者、医療事務員や一般事務員、さらには清掃員や調理師、洗濯場で働く人・・・など多くの職種の方が日々(職種によっては昼夜を問わず)病院の業務を支えています。
そこで、思うこと、職種間で“力関係”の差というのはあるのでしょうか?
かつてほどではありませんが、答えは当然のごとく「あります」。職場の風土、院長の方針や幹部も含めたキャラクターによってそれぞれの病院で異なるところですので一概には言えませんが、やはり医師を頂点として、看護師や他の医療職種(薬剤師など)、そして事務員・・・となっているところが一般的だと思います。
ただし、近年は「チーム医療」という言葉が多用されているとおり、かつての「なんでもかんでも医師が責任をもってやる」というのではなく医師も含め、看護師やチームの目的に沿った職種(薬剤師、検査技師等)が協力して患者さんの治療にあたるという考え方が拡がってきているように思います。
これまでのように全て医師の判断に委ねるのではなく、それぞれの職種が専門性を発揮して、チームの中で存在感をもって行動することが増えており、そのことによって相対的に医師以外の職種の地位(?)も上がってきているのが実情です。医師はもちろん、それ以外の医療職種の人たちも誇りをもって仕事ができるようになってきているということです。
ちなみに事務員・・・といいますと、病院や地域によって大きく差があるところです。
わが国においてトップランナーとして名を馳せているような一部の病院では、MBAホルダーが経営企画部門に配置され、院内職員を指導する立場として活躍しているような事例も存在しますが、多くの病院ではやはり医師→看護師・他の医療職種→事務員という位置づけになっていると思います。
ただし、昨今の目まぐるしい医療情勢の変動に伴い、特に医事部門の役割が増大しており、おのずと院内職員を指導していくことが増えてきていますので、その意味では医事部門の職員の地位は上がってきていると考えています。
個人的には普段はあまりこういったこと(力関係)は意識せず仕事をしていますが、やはり何かのきっかけで意識することはあります。
つまり、何が言いたいかというと事務員(特に医事部門)もしっかりと自分の守備範囲を勉強して、院内に伝達していくことが必要であるということと、逆にそれができなければ院内での地位や役割はいつまで経っても向上していかないということです。(自分のことを棚に上げて言いますが、)病院事務員(特に医事部門)の奮起を期待しています。
執筆者:さすらいの中間管理職事務員
地方の中規模(その地域では大規模)病院にて医事課長として勤務しています。日々、中間管理職としての悲哀を味わいつつ、目まぐるしく変化していく医療制度に置いていかれないよう最低限の自己研鑚に励んでいます。
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