11.27
職場を去りたくなるとき~いてもいいと思う職場へ~
医療業界は、入職者、退職者が日々動く現場です。一般企業と比較すると、”転職組”がはるかに多い職場といえるでしょう。
それも国家資格があるからこそできることですが、いい人材にはやはり、とどまってもらいたいものです。
人材の定着は、単なる「人員確保」ではなく、組織の知的財産、ノウハウの定着でもあります。
そこで、「仕事を辞めたくなるとき」というよりも「その職場を去りたくなるとき」の引き金になること、どんなことがあるのでしょうか。
複数の病院で行ったアンケートからご紹介します。
☑ 教育・スキルアップに関すること
・居続けてもスキルが上がりそうにない(キャリアアップできない)
・きつく指導された
・しっかり教育されずに分からないまま現場
・上の職への希望が無い(忙しい、大変)
・キャリアアップが望めない
☑ 上司との関係性
・上司の考えについていけなかった
・上司に怒られた
・上司に失望(上司に頼れない、言葉使いが悪い)
・自分を守ってくれない
・上司などから一方的に言われ続ける
☑ 部署内・他部署との関係性
・他部署が怖かった
・人間関係(孤立、仲間がつくりにくい)
☑ 処遇に関すること
・昼休みがとれない
・頑張っているのを評価されない
・パートなのに正職と同じ(以上)の働きをしているのに
・希望していない異動があった時
想定内の意見のように思いませんか。一方で、「これだったら、いてもいいな」と思う職場は?という問いに対しては、次のような意見が挙げられています。
☑ 人の側面
・職員同士が大きな声でしっかりあいさつできている
・職員同士で意見を言いやすい
・自ら進んで仕事を手伝っている
・自分の仕事に最後まで責任をもっている
・相談しやすい
・注意する基準が統一している(えこひいきがない)
・とりあえず聞いてくれる(すぐに否定しない)、認めてくれる
・体調管理に気遣っている
☑ 教育の側面
・OJT等のしっかりした育成プログラムがある
・マニュアルがある
・研修が多すぎない(丁寧な研修内容)
・職員の技術レベル等が同じ(特定の職員への負担がない)
☑ 組織内システムの側面
・きれいな状態が保たれている(整理整頓)
・シフトどおりに仕事が終わる、遅刻などが無い(時間規律)
・職員がルールを守っている
・情報が伝わる(「聞いていない」「知らない」がない)
この意見をみると、仕事をし続けようと思う職場とは、当たり前のことが当たり前にできている組織なのかもしれません。
職員間は風通しよく、会話が気持ちよくできる職場、先輩が後輩に仕事を教えて、それが患者さんに役立つことにつながり、自分で達成感を感じられる職場、できたことはできていると認められる職場、理想的と思われがちなことではりますが、このような職場環境はどの職場でも求められることだといえます。
組織は様々な考え方、価値観を持った人の集まりです。考えや価値観のすり合わせながら共に患者さんや地域のために気持ちよく仕事ができることが「いてもいい職場」なのかもしれませんね。
執筆者:下田静香
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