2022
02.26

『あなたと私は違う人』

職場環境

こんにちは、小柳です。しばらく冬らしい厳しい寒さが続いておりますね。これから春に向かって少しずつ寒さが緩んで、梅や桜などの春の花が咲くのが楽しみですね。春が待ち遠しいです。

気が付けば新型コロナのパンデミックになり丸2年以上たちます。本当に早いものです。でも立ち止まっているわけにはいきません。仕事(診療)は続き、人事も動いています。

最近、職場で気になることがありました。入職して日の浅い職員と先輩職員との相互理解がうまくいかず、同じレベルで業務の話ができていないと感じました。「これが普通」、「これが常識」という感覚や感性の共有が成り立っていないため、話がかみ合っていないようでした。

職場でのルールは言語的な部分と非言語的な部分で成り立っていると私は考えています。ルールは言葉にして伝えることができるのですが、そのルールに含まれる『感性』や『感覚』の共有が実は『普通』や『常識』という共通理解の醸成にとても大事なのです。この『感性』や『感覚』を理解していないと、的外れなことをしてしまったり、意図せずルールを逸脱してしまったりすることが出てきます。

簡単な例ですと、《診察のカルテはここに置く》というルールがあり、それには《診察でないカルテをここに置いてはいけない》という共通理解が職場内にあったとしましょう。でもそれを理解していないと、自分が今扱っている方のカルテを置いたことで何故注意されるかが理解できないのです(実際に起きているのは、もう少し複雑な業務のことですが…)。

そして、気になることがもう1つ。先輩職員たちと親密さの距離感が縮まらず、まだ「仲間」になれていないようでした。通常であれば時間の経過とともにお互いの理解が進むのですが、コロナ禍で仕事以外でのコミュニケーションの機会を作るのが難しい状況も一因なのかもしれません。当院では年に何回か全員参加の会合(飲み会?)を催して来ましたが、当然それもずっと行っていません。飲みに行けば解決するということではありませんが、仕事を離れた場でのコミュニケーションは【人となり】や【素】が見え、お互いに胸襟を開ける良い機会になっていたのですね。同じ食事をしながら時間を共有することで仲間と認識する、人間も群れを作って生きてきた動物なのだとつくづく感じます。

さて。ではコロナだから仕方がないということでは済みません。また、このような事象はコロナ禍でなくても職場ではしばしば生じることです。同じ職場で働く私たちは、同じ船に乗った仲間です。お互いのことを理解して、より良く働けるようにしていかなければなりません。

つい今の状況が『普通』であると考えがちですが、今一度「自分の普通は、相手の普通ではない」「自分と相手は同じではない」と広い視野をもち、偏りがちな思考を調える必要があります。

そして、コロナ禍だからこそこれまでより一層細やかにコミュニケーションをとるようにしなくてはなりません。業務の説明するときには、何故そうなったか、これまでの経緯や背景まで説明する、普段行っている仕事のやり方をより丁寧に説明する、1回ではなく複数回説明する、といったことを心がける必要があります。

あなたの前に居る同僚はあなたではありません。「あなたと私は違う人」ですから。

執筆者:Airi Koyanagi

薬剤師。大手調剤薬局チェーン勤務後、戸塚ヒロ眼科事務長として10年以上クリニックの運営に関わっています。医療スキルと患者様サービス及びスタッフの働き甲斐の3つを成り立たせたいと今も奮闘中

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