2021
10.31

自己肯定感を高める

働きがい, 職場環境

クリニックを新規開業するとしばらくは患者が少ない時期があります。そのようなときは、他のクリニックの経営状況が気になるものです。そして「あちらのクリニックは繁盛している」と思い、「うちのクリニックはだめなんだ」と自己肯定感が低くなることがあります。

これは多くの人に当てはまるのではないかと思います。人間生きていれば一度は「自分はだめな人間だ」と思ったことがあるのではないでしょうか。実はこのような状況になるのには理由があります。それは、人は自分のことが1番信じられない生き物だからです。ですので、自分自身にいくら強気な言葉、例えば「夢は叶う」「できる」「うまくいく」などと言ってみても、未来の成功した自分を信じて挑戦する意欲がわかない人がいるのです。

改善解決策はいくつかありますが、1つに「ピグマリオンミーティング(=ピグマリオン効果)」があります。

ピグマリオン効果とはアメリカで実施された一般的な知能テストの際に用いられた手法です。ピグマリオンミーティングでは、自分以外の人のプラス面を発見し、他人(相手)の視点を借りて自分のプラス面を発見してもらうものです。
ピグマリオンミーティングでは、他人(相手)をとにかく褒めまくること。そうすることで改めて他人(相手)のプラス面や自分のプラス面に気づき、自己肯定感を高めることができます。

方法としては、
①他人(相手)の現在、過去の良いところを徹底的に探す
②人間性、性格にフォーカスする
③伝える方は真剣に伝え、聞く方は感謝しながら聞く

これを行うことで自己肯定感を高めることができます。

私は、これをクリニックでの全体研修の際に実施することがあります。ドクターだけでなく、スタッフも日々の患者対応や様々な業務で自己肯定感が低くなっていることがあります。ピグマリオンミーティングを実施し、スタッフの表情が明るくなればこちらもしめたものです。

話は変わりますが、メンタルサポートをしている中学や高校の先生と話をすると、今の子供たちは自己肯定感が低い人が多いそうです。学校全体の悩みになっているところもあります。
夢を持つことをせず(できず?)、なんとなく生活をしている人、あきらめやすい人が多いとのこと。
いつからこんな時代になったのか・・・。

原因の1つに大人の存在があります。大人(親など)が「仕事が疲れた」とか不平不満を言ったり、イライラした表情をしたりしているためその姿を見ている子どもたちが、「大人になるとこうなるんだ。大人になりたくない」と感じるため、将来に対して夢や目標を描けなくなり自己肯定感が低くなっているのです。それに加え、世界で流行している新型コロナウィルスの影響でさらに暗い世の中になり、その影響もあり、自己肯定感が低くなっているかもしれません。

先程の学校の先生は自分のクラスでピグマリオンミーティングを実施したところ、クラスに活気が出てきたそうです。おそらく、子どもたちは夢を描きたくないのではなく、夢を描くためのちょっとしたきっかけを探しているだけだと思います。
ピグマリオンミーティングがうまくきっかけになってくれれば良いと思います。

クリニックにおいても同じことが言えます。チームとしてクリニックを盛り上げる、患者に喜んでもらえるクリニックにするためにもまずはご自身の自己肯定感を高めることからされてみるのも良いと思います。

執筆者:田中秀幸(Hideyuki Tanaka)

株式会社ファイネス 医業開発室に所属し、クリニック開業サポート、クリニック承継サポートを中心に活動しています。 スポーツが好きで、中学クラブチームのメンタルコーチや医療・介護・福祉関係者へメンタル講習をしています。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意下さい(スパム対策)