02.15
突然、「辞めたい」と言われたらどうしますか?~「人」の問題は、その背景にあることの切り分けから~
「人」の問題は、明確な答えがないとよく言われます。まさにそのとおりで、「1+1」が「2」になることもあれば「3」になることもあり、場合によっては「ゼロ」になることもあり得ます。
しかし、「人」の出来事の背景にあるものを切り分けていくと、現時点での理想とする解に辿り着くことができると思うのです。
例えば、主任になったばかりのAさんが「辞めたい」と言ってきたとします。最近、とても忙しそうで表情も暗かったことを思い出し、「きっと、主任の仕事が大変だったからだろう。」と推測することは、そう難しいことではありません。でも、理由はそれだけではないかもしれませんし、そもそも他の事柄が影響しているのかもしれません。
それは本人のみぞ知る部分ですが、仮に面談等を通じて本人に確認してみても、本音を隠している場合もあります。このように、一筋縄では本質がわかりにくいというのも「人」に関する悩みが尽きない理由なのだと思います。
そんな時、こう考えてみてはどうでしょう。
まず、「辞めたい」原因は本人にあるのか、それとも本人を取り巻く環境にあるのか分けてみます。
本人に原因があるとしたら、それがモチベーションの低下なのか、それとも給与面などの処遇での不満なのか。一方で、本人を取り巻く環境に原因があるのだとしたら、親の介護や職場の人間関係などが影響していることもあるでしょう。
もちろん、理由は一つではなく複数が絡み合っていることも珍しくありませんが、こうやって背景を解きほぐしていくことで、「本当の問題はどこにあるのか」見えやすくなってきます。
また、Aさんの辞めたい原因が職場環境だとしたら、より具体的な改善策を講じることで退職を止めることができるかもしれません。
「人」の問題はわかりにくい、難しくて答えがないことが多いものですが、そんな時、本質はどこにあるのかという視点を持っておくと問題を整理でき、解決への一助になってくれるのではないかと思います。
執筆者:原麻衣子(Maiko Hara)
株式会社エイトドア 人事アドバイザー。MR(医薬情報担当者)経験を経て、地方病院における人事、給与、臨床研修プログラムの構築を担当してきました。現在は、クリニックにおけるWebコンテンツの制作や企画プロデュースに携わっています。
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