08.19
働きやすい職場とは?〜多様な価値観をすり合わせる〜
昨今、働き方改革が叫ばれていますが、誰もが働きやすい居心地のよい職場を望んでいるものです。それを実現するために、求職側は数ある医療機関や福祉施設の中から自分に合った職場を探し、採用側は自施設の理念や働き方とマッチした職員を探しています。
しかし、働きやすい職場と言っても
「知識や経験を生かすことができる」
「短時間勤務に対応してくれる」
「チームで意見交換がしっかりとできる」
「研修制度が充実している」
など、職員の数だけ意見が出てくることでしょう。
現在は、以前と比べても格段に多様な働き方や価値観が増えてきています。円滑な人間関係を構築するには価値観のすり合わせが不可欠です。
しかし、思い起こしてみてください。家庭でも学校でも全く同じ価値観の人と出会ったことはないはずです。好き同士で結婚した2人であっても、生活を送る中で小さなすれ違いが起こり、価値観の違いで離婚するケースだってあるのです。
そう考えてみると、人数が増えるほど働きやすい職場を作ることは難しく感じるかもしれませんが、そんな時には次のことを試してみてください。
まず、仕事とプライベートな感情は切り分けるようにしましょう。
上司と部下という間柄でありながら家族ぐるみの付き合いがあれば、意図していなくても他の部下より指導や評価が甘くなってしまうことがあります。
適切な指導や評価ができないことで、仕事や他の職員に影響が出てしまうことも考えられます。職場でプライベートな話をする場合には「ここからは、個人的な話だから」と一区切りおいてから話すなどちょっとした工夫をすることで、お互いに線引きを意識することができます。
また、「こうあるべき」という自分の軸を押し付けないということも大切です。
私たちはどうしても、自分が歩んできた道や経験をもとに物事を判断してしまうのですが、それが「必ず」ではないことを認識しなくてはいけません。
年配の方は「昔はこうだった」と考えるのに対して、入職したての若者は「今はこうだから」と主張するかもしれません。お互いを否定しながら自分の価値観を押し通すのではなく、それぞれの良いところを抽出していくことで職場にもよい影響を与えてくれることでしょう。
多様な価値観があるからこそ、職員同士や患者さんのニーズにも対応しやすいと前向きに捉える心持ちも忘れないようにしたいものです。
執筆者:原麻衣子(Maiko Hara)
医療の人事ドットコム編集長。
これまで、MR(医薬情報担当者)経験を経て、地方病院における人事、給与、臨床研修プログラムの構築を担当してきました。現在は、クリニックにおけるWebコンテンツの制作や企画プロデュースに携わっています。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。