「前提」は自分と他者とは違う~ディスカッションしてわかること~

いよいよ診療報酬改定も間近となり、改定に耐えうる新しい組織・仕組み作りに取り組まれているかと思います。そんな年度末の慌ただしいある日、久しぶりに職位が同じ同僚と周りが心配する(?)ぐらいのディスカッション(喧嘩ではありません・・・)をしました。

ことの発端は、会議で「部署間の連携を効率的にする取り組み」について議論した後、決定した内容を関係各所に院内mailで再共有したのですが、そのmailの内容が一部違うという返信があったことからでした。

 

ディスカッションしながら、お互いにあることに気付きました。気付いた後は前向きなディスカッションとなり、「久しぶりにいい喧嘩したなぁ」と言いながら二人で帰路についたのででした。その「あること」は、議論や仕組みをつくるときには本当に大切なんだなとしみじみ思わされました。

 

「あること」とは「マニュアル・決まりごと」です。

そんなの当たり前と言われると思うのですが、今回はその当たり前が抜けていたために起きた「微妙なズレ」が生んだ無用なディスカッションでした。

会議の場で議題を提出した同僚から、「効率的にするために〇〇とすることを提案します」と発言がありました。これに対して、対策が承認されたのですが、私も含め会議の参加者はその同僚を除いて、「現行のルールのもと提案された事案と認識していない状況」でした。一方、同僚は「現行のルールは共通認識として理解しているはずだから、提案のみをした」と言うことでした。

「ルール有り前提」VS「ルール無し前提」の構図です。

当然、プレゼンのスキルや方法でいくらでも回避できることですが、私自身が「現行のルール」について把握していなかったことも要因の1つであったと反省しています。

ディスカッションの中で論点が微妙にズレていること、そのズレがなぜ起きているのかがお互いに気付けたため大事故には至りませんでしたが、熱いディスカッションの結論が「前提の違い」であったことに力が抜けてしまいしました。

 

恐らく新年度が始まり異動になる職員や新入職の職員は部署の業務マニュアルを確認しながら業務に従事すると思いますが、今回の出来事を踏まえ、現行のルールや医療従事者・理学療法士としての原理原則を忘れることなく指導や組織作りをしていきたいと思いました。

今回のことでの「疲労感」を良き教訓としてまた頑張っていきます。と無理矢理締めまして、今回のコラムを終わりたいと思います。

 

執筆者:野村 和正

理学療法士・介護支援専門員として臨床で働く事15年。
その半数以上を中間管理職として組織運営に携わり、日々現場と管理の狭間で動いている三児の父親。
子供達の未来の為に「父ちゃん頑張ったぞ」と言える父親になる事が今の原動力となっている。

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