新入職員に必要な「ほうれんそう」①~報告・連絡・相談から発生するトラブルと支障~
新入職員の皆さんが入職して第2週目が始まりました。
まだまだ緊張の日が続いていることと思います。
新人研修で必ずと言っていいほど伝えられるのが、「報告、連絡、相談」です。いわゆる「ほうれんそう」です。しかし、教える側の私たちは、報告、連絡、相談の違いをわかって伝えているでしょうか。
仕事の経験を重ねるほど、報告、連絡、相談は当たり前にすることという認識なのか、その違いや重要性をどう伝えるかわからなくなってしまうものです。
そこで、2回にわたって、「報告、連絡、相談」についてお伝えしたいと思います。
今回は、改めて、報告、連絡、相談の違いやできていないことによるトラブルや支障を振り返ってみたいと思います。
1.報告、連絡、相談ができていなことによるトラブル
「伝えましたよね」、「いえ、聞いてません」。よくある報告、連絡、相談によるトラブルです。こういうことが起こると、お互い気持ちよく仕事ができなくなります。この会話は、お互いの過去のことを責め合っているだけで、全く以もってトラブル解決になっていません。
このようなトラブルを回避するためにも、報告、連絡、相談はお互いに仕事を進めやすくするためにきっちりと行いたいものです。
2.報告、連絡、相談のトラブルから発生する支障
報告、連絡、相談のトラブルから、仕事上、次の3つの支障が発生します。
1つ目は、仕事が遅れるということです。報告、連絡、相談が遅くなってしまったばかりに、その案件は停滞してしまいます。
2つ目は、患者さんや利用者さん、ご家族に迷惑がかかるということです。仕事が遅れますので、当然顧客に対してのサービスが低下します。結果として、患者さんや利用者さん、ご家族が満足した医療、福祉が受けられなくなります。
3つ目は、報告、連絡、相談し合う職員間や部署間の関係性が崩れることにも発展します。伝えた(はず)側は、「言ったはずなのに」というモヤモヤという気持ちが残ってしまいます。そうすると、ますます、仕事をすすめにくい雰囲気ができてしまい、余計に報告、連絡、相談しにくい関係性になりかねません。
3.報告、連絡、相談を正しく知る
「報告」とは、指示、依頼されたことの経過と完了したことを知らせること(伝えること)です。指示、依頼を受けた側は、報告することは義務です。つまり、指示、依頼と報告はセットで考えることが大切です。
「連絡」とは、関連する仕事をする人に必要と思われる情報を伝えることです。「伝えておいた方がいいかな」と迷ったときは、伝えた方がいいですし、「これぐらいわかってると思うけど」というときも、念のため伝えておいた方が安全です。連絡は、スタッフ一人ひとりの裁量が最も入ります。伝えるか伝えないかの判断をうまくできるかどうかがトラブル回避につながります。
最後の「相談」は、自分で判断に迷ったときに状況を伝えて、よりよい状態で進められるようにすることです。相談する時間が遅くなればなるほど、よくない状態が続き、仕事が停滞してしまいます。相談は、できるだけ早くすることで、早期によりよい状態を作れるようにしたいものです。
次回は、報告、連絡、相談のよりよい進め方についてお伝えいたします。
執筆者:下田静香(Shizuka Shimoda)
医療経営オンライン編集長。株式会社エイトドア代表取締役。経営学修士(MBA)。病院、介護施設で人事制度、評価制度、目標管理制度の構築と定着を中心に人材育成、組織開発のアドバイスしています。楽しく仕事ができるためには?!をテーマにしています。