あなたはどんな「装い」を選びますか?~相手や周囲に対する気持ちや姿勢を示す服装を~
こんにちは!いよいよ4月、新年度がスタートして新しい節目を迎えた方も多いことでしょう。出勤初日や昇進初日、あなたはどのような服装で出勤しましたか?
医療業界の多くの職場はユニフォームがあり、仕事中の「身だしなみ」に関するルールがある一方で、通勤時の服装にルールのある職場の方がむしろ少ないと思います。そういった土壌もあり、通勤時の服装に気を遣う方はあまり多くない業界とも言えるでしょう。
では、そもそも服装にはどんな役割があるのでしょう?
ユニフォームに関しては、見ただけで病院のスタッフであることがわかりますし、医療者であることがはっきり認識できます。服装は「所属や役割を示すツール」であることがまず挙げられます。私の職場では職員が増えたのを機に、男女の区別のないデザインを取り入れ、かつ職種によりカラーを分けることにしました。このようなことは様々な職場で取り入れられています。警察官などの公務員や航空会社のユニフォームなどがその例だと思います。
また、「おしゃれ」と「身だしなみ」は違う、ということは研修等でよく話される内容です。「おしゃれ」は自分自身のためのものでありご自分の好みで選ぶことができます。一方で「身だしなみ」は清潔感を保つためのものであり、ユニフォームの着方や丈について、あるいは爪や髪の毛、アクセサリーのルールなど多岐にわたります。
でもこの2点だけでは「なぜ服装に気を配らないといけないのか」を説明するには少し足りないと私は考えています。例えば、披露宴に招待されると皆さんはそれ相応の服装をして参加されます。デニムで出席する人はまずいません。また披露宴でご結婚するカップルもドレスやタキシードなど相応しい装いでお客様をお迎えします。つまり、「TPO」=time(時)、place(場所)、occasion(場合)に適した必要な服装があり、ご自分のためだけでなく相手のために「敬意や祝意等を表す役割」があるということです。
私は服装のこういった役割を「装い」と呼んでいます。辞書で【装い】は《外観・設備や身なりなどを美しく飾りととのえること。また、そうした設備・服装・化粧など》とあります。厳密な意味としては多少ずれているかもしれませんが、「おしゃれ」と「身だしなみ」だけでは足りない部分を表現することばとして使っています。必要以上に飾り立てる必要はありませんが、ご自分が恥ずかしくないか、周りからどう見られるのか、相手や周囲に対する気持ちや姿勢を示すことができているのかということも考えて、服装を選ぶことも必要だと思います。時と場合を鑑みて、適切にです。
4月から後輩が入る皆さんは先輩としてどんな装いで出勤しますか?
また院内でユニフォームをきちんと身に着けていますか?昇進したり転職したりして、部下を持つようになる方も同様です。あなたは見られています。院内外でどんな「装い」を選びますか?
執筆者:Airi Koyanagi
薬剤師。大手調剤薬局チェーン勤務後、戸塚ヒロ眼科事務長として10年以上クリニックの運営に関わっています。医療スキルと患者様サービス及びスタッフの働き甲斐の3つを成り立たせたいと今も奮闘中