教わる準備できていますか?〜ステップアップに重要な「教わる力」〜

私たちは幼少期から、学校や社会との関わりを通じて様々な事柄を学びます。学問に関することもそうですし、社会の基本的なルールやマナーなど生活していくために必要な知識や経験も培ってきました。

では、学校を卒業して社会人になってからはどうでしょうか。

「勉強」という言葉を使うと抵抗を感じる方がいるかもしれませんが、「学ぶ」ことは社会に出てからも続いていきますし、学ぶために何かを「教わる」という場面はより一層増えていきます。

それが最も顕著に見られるのが、新人の頃です。誰しも、社会人になったばかりは右も左も分からない状態なので、上司や先輩から新しい知識や職場のルールを教わることになります。

実は、ここでほんの少しの準備や心構えをプラスすることで、より早く正確に自分のものとして吸収することができます。

自分の知識や経験を整理する

教えてくれる相手は、自分よりもその分野に関して広い知識と経験を有しています。つまり、全体像を把握した上で教えてくれるわけですが、一方で教わる側はまだ登山で言えば山の途中であり、断片的な部分しかわかりません。

さらに、教わる側が複数人であれば、それぞれが持っている知識や経験にバラツキがあるものです。

例えば、ホットケーキを作るために材料から教える必要があるのか、または焼く時の火加減だけを教えるだけでいいのか、教わる側の前提条件によって違いがあるように、職場での学びについても同じことが言えます。

自分が分かっていることと、これから学ぶべきことを線引きし、教わる相手に伝えることで、より効果的に教わることができるようになります。

教わったことを「出来る」につなげる

「教わる」ということは、まだインプットを終えただけの状態です。

本を読んだだけでは車の運転が出来ないように、教わったことを理解し行動に移すことができて初めて、自分のものとして吸収できたと言えます。

そのため、インプット後のアウトプットが知識や経験の定着を図るために重要であり、教わったことを誰かに教えることも理解度を増す有効な手段です。

「教わる」ことは、ゴールへ到達するための最適なルートを習得することだと言えます。

例えば、東京から九州まで行くために船を使う方法と電車を使う方法しか知らないのであれば、そこに飛行機という交通手段を教えてもらうことで選択肢が広がりますし、最短で現地へ向かうことができるようになります。

さらに、教える側も相手はまだ全体像を把握していないことを念頭におきながら、まずは概要や結論を話し、それから詳細を伝える工夫を施すことでより一層、円滑な「教える」コミュニケーションが取れるようになると思います。

原麻衣子(Maiko Hara)

医療の人事ドットコム編集長。
これまで、MR(医薬情報担当者)経験を経て、地方病院における人事、給与、臨床研修プログラムの構築を担当してきました。現在は、クリニックにおけるWebコンテンツの制作や企画プロデュースに携わっています。

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