苦言力部下の成長の糧、上司の苦言にあり
この頃よく耳にする、“パワハラ”や“セクハラ”。
あまりにも、言葉だけが独り歩きして“パワハラ対策”“パワハラ研修会”などなど、あちらこちらで多種多様な研修会が開催されています。大事なことではありますが、今ひとつすっきりしない!と、ちょっと考えてしまいます。
研修会で学習すればパワハラが無くなるはずがないと思いながら、やらないより、やったほうがいいのはわかっていますが・・・。
そもそも、パワハラの根底にあるのは、お互いの“信頼関係”であることは間違いないと思います。
そこで、パワハラが声高に叫ばれる今だからこそ、大切にしなければならないパワハラと異なる「苦言力!」について考えてみました。
部下を持つ人に身につけていただきたい力の一つが、「部下に媚びない苦言力」なのです。
的確な「助言力」も大切ですが、人材育成にもっと重要なことは、言いにくいことも相手を大切に想うなら、言ってあげなきゃいけない苦言だと思うのです。
言う側も気持ちがいいわけではありません。しかし、言わなければならないときには、言わなくちゃ!です。そして、言われる側も、言われるうちが華かもしれません。なぜなら、成長を期待しない人には、わざわざいやな思いを抱えながら言わないからです。自分の周りに苦言を呈してくれる先輩、上司、同僚がいる人は幸せです。そこには、まだまだ成長するチャンスがあるのです。
自分が成長したいならば、本気で叱ってくれる人を持つことが大切です。
一方で、上司が部下を育成したいなら、媚びることなく、愛情をもって心を込めて叱ることが大切です。そして、そんな上司こそが組織にとっての財産である「人財」であることは間違いありません。
言い方や方法の『やり方』ばかりを考えず、お互いの信頼関係が土台となる『あり方』を考えることの方が大切なのかもしれませんね。
執筆者:もろずみなおこ
看護部長として10年間、看護管理者となってから約20年間、人材育成、後進の育成に邁進してきました。
長所は超ポジティブ、短所はポジティブすぎること。逆風の中での、病院経営や人材育成を語ることが大好きです。